海外倉庫があれば、貿易会社の輸出の効率が大幅に上がる。
物流にかかる時間が何分の一にもなる。ドイツを例とすると、以前ならば売り手が国内で商品を準備し、購入者が注文を出した後に中国から最終目的地に発送していた。空輸であってもドイツに到着するためには5−10日かかる。現在は海外倉庫で事前に商品を準備する。ベルリンに配送する小包は出荷の翌日か2日後に到着し、中国国内での物流のタイムパフォーマンスと肩を並べるほどだ。
総合的なコストが大幅に低下。ドイツのデュッセルドルフに位置する谷倉海外倉の倉庫長である石磊氏によると、貿易越境倉庫物流は大まかに次の3段階に分かれる。第1段階は港から港への輸送で、第2段階は海外での保管で、第3段階は海外からの配送だ。第1段階は通常、コンテナ海運により一度に大量の貨物を運ぶことで、単位当たりの輸送料を下げる。海外倉庫は精密な運営、倉庫のカスタマイズ、専門的な倉庫サービスなどにより作業効率と在庫回転率を高め、コストを削減する。商品と末端消費者の距離がさらに縮むことから、配送部分、特に複数の倉庫を組み合わせる配送のコストがさらに下がる。かつ大型海外倉庫は現地の末端配送サービス業者との価格交渉力が高く、総合的なランニングコストをさらに下げられる。
サービスチェーンがさらに改善。返品が難しいことは、貿易会社を悩ませる難題だが、海外倉庫は効果的にこの問題を解消した。返品や取替の頻度が高い衣料品の輸出を例とすると、海外倉庫という拠点がなければ返品は商品を再輸入することになり、時間がかかり手続きが面倒であることから廃棄する業者が多い。これは資源の浪費を生む。現在は海外倉庫で返品を受け付けた後、再び出荷するだけで良い。
谷倉海外倉の陳華輝総経理は、「当社は現在ドイツで17万平方メートルの海外倉庫を持つ。今年上半期の小包出荷量は前年同期比で約40%増の400万件。世界に目を向けると、当社は30以上の国で160万平方メートル以上の自前の海外倉庫を持ち、2万以上の企業レベル取引先にサービスを提供している」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年8月5日