夏のパリから、中国人選手のメダル獲得の情報が絶えず伝わる。中国製造(メイド・イン・チャイナ)が五輪の会場の内外で再び十分に示されている。その中でも「義烏製造」が最も注目されている。義烏製造が「クリスマス用品供給キング」から「五輪サプライヤーチャンピオン」になった秘訣とは何だろうか。
義烏の人々はその歴史において、「農家栽培―手工業―フレキシブルな物流―商取引」を一つに合わせて経営するという創造の天賦を形成した。2000年前後にはインターネットブラウザ(第1世代ECプラットフォーム)と検索エンジン(第2世代ECプラットフォーム)によってエンジンブラウザ(第3世代ECプラットフォーム)を形成する技術進歩のチャンスを利用し、義烏、東陽、永康などの35万店のうち「フロント店舗・バック工場」「夫婦チーム」などの特徴を持つ27万店以上の国際貿易サプライヤーが、「オフライン―オンライン」のEC販売アップグレードを完了し、国際市場と国内市場に同時にサービスを提供した。これは世界レベルの「スリリングなジャンプ」だ。義烏の人々はイタリア・ミラノの店、フランスの家族経営、ブラジルの雑貨メーカーより先を歩み、時代の快速列車に乗った。
義烏の人々の産業イノベーション及び進歩が止まったことはない。中国の第3世代ECが第4.5世代EC(さらにChatGPTなどのAIアルゴリズムが追加)に過渡する中、義烏のメーカーのオリジナルデザイン商品、メーカーの中間製品の越境受注、大量の受注の処理はデジタルコアプラットフォームと協力できるようになり、高構造化価値相互連携業態(初級のIoEを超える)を形成した。この時期に、「大型工場―生産ライン―モジュール化」生産の意義を持つ製造経済は、デジタル技術がサポートする「インターネット+グリッド」経済(つまりデジタル経済の初期発展段階)に向かい過渡する。これは義烏製造の新たな産業高度化の余地だ。
義烏製造は中国製造の縮図でもある。筆者が近年、中国のその他の地方をリサーチしたところ、中国の製造業が集まる中核エリア(長江デルタ、珠江デルタ、環渤海エリアなど)には義烏製造と類似する内在的動力学メカニズムが見られた。広州市のSHEIN本部では、新たな「インターネット+グリッド」の技術進歩を通じ、番禺、南海、順徳のアパレル、プリント、物流などの関連業界の数十万店が徐々にデジタルプラットフォームに進出している。一連の基幹共通技術と市場ネットワーク生産・販売業態のサポートを受け、世界のアパレル重鎮の1%未満だった投資収益率が、その他の特新業界と同水準にまで戻った。
中国の改革開放から46年後、アパレル8大業界が形成したサンクコストが、技術の新生の意義で再構築された。これは中国製造の高度化及び更新という時代の朗報だ。中国の選手と中国製造の好成績が時代を超え、新世界の未来に向かうことを願う。(筆者=曹和平・北京大学経済学院教授)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年8月13日