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「IBMが中国から完全撤退」は偽の命題

中国網日本語版  |  2024-08-28

「IBMが中国から完全撤退」は偽の命題。

タグ:IBM 人員削減

発信時間:2024-08-28 15:07:42 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

「IBMが中国で人員削減」という情報が26日、注目を集めた。情報によると、IBMは中国の研究開発部門を完全閉鎖する。関連する従業員数は1000人以上。この決定は主にIBM中国のCDL(中国開発センター)とCSL(中国システムセンター)に影響。その主な職責は研究開発及びテスト。情報が伝わると、またもや「外資中国撤退」などの説が鼓吹された。これは中国の客観的な実情に合わず、またIBMの方針とも矛盾している。

IBMの人員削減は実際に、正常な商行為だ。研究開発部門を閉鎖しても、IBMは中国に大量の子会社と事業を残す。IBMのグローバル事業は転換期を迎えており、今回の人員削減は実際にIBMの世界的な人員削減計画の一環だ。IBMは現在、ソフト・ハード・システムの提供者から、クラウドとスマートを混ぜた方向にモデル転換している。人工知能(AI)がIBMの内部で徐々に使用されるに伴い、IBMの経営層も従業員の需要を持続的に減らしている。IBMは今年3月にそのマーケティング及びコミュニケーション部門の閉鎖を発表し、一部の部門では削減目標が80%にのぼっている。IBMは5月、さらに求人を直接停止し、AIで8000人弱の雇用と置き換えると発表した。この一連の措置からは、IBM中国の人員削減計画が当初から予定されていたものであり、中国市場だけに対する特殊な行動でないことが分かる。

客観的に論じると、IBMの研究開発部門の閉鎖には利益減という原因がある。IBMが目指している企業向けのDX、クラウドコンピューティング、スマートサービスなどの提供は競争が非常に激しい。海外ではアマゾン、グーグル、マイクロソフトなどの大手から攻勢を受け、中国エリアでもファーウェイやテンセントなどの企業と競争する必要がある。しかしIBMは、AI事業の中国での成長に期待しており、今後も引き続き技術及びコンサルティングの豊富な経験によりサービスを提供するとし、研究開発部門の閉鎖は「大中華エリアの取引先にサポートを提供する能力に影響が及ぶことはない」としている。

大企業の人員削減にせよ、外資の中国進出・撤退にせよ、いずれも経済発展の変化における常態だ。今年1−7月に中国で新たに設立された外資系企業数は前年同期比11.4%増の3万1654社だった。製造業やハイテク製造業などの分野での実行ベース外資導入額が大幅に増加した。うち医療機器・設備及び計器製造業は87%増、専門技術サービス業は41.3%増、コンピュータ及び事務設備製造業は32.4%増。このデータは、外資が中国市場への投資で強い熱意を保っており、中国が依然としてチャンスに満ちた人気投資先であることを十分に示している。FRBが9月に利下げに踏み切るという予想が強まる中、人民元取引が活況を呈しているが、これは外資がスムーズに中国に進出し、より長期的な投資戦略を進めていることの現れだ。そのためIBMの研究開発部門閉鎖という個別のケースは「外資中国撤退」と関連性を持たず、また市場の現実を反映しておらず、さらにはまったく別の次元の問題だ。(筆者=盤和林・工業・情報化部情報通信経済専門家委員会委員)

「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年8月28日

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