昨年インタビューに応じた150人余りの人工知能(AI)専門家は、時代遅れの電力網の容量は米国の発展を妨げると述べた。米国のサーバーが極限に達すれば、車載GPSの電波が急に消滅し、手術補助ロボットが運転を停止し、さらには重要なサイバーセキュリティ及びインフラシステムも影響を受ける。米紙「ワシントン・ポスト」が伝えた。
米国で新たな送電線の建設の許可が下りるまで10−20年かかる。これは中国の高効率と対照的だ。中国は各エリアの公共事業企業を一つの国有機関に統合し、5年内に新たな送電線を建設できる。ペースを見ても規模を見ても、中国が現在持つ電力システムは米国を見劣りさせる。中国が2014−21年に建設した地域を跨ぐ送電網の容量は米国の80倍。
中国はエネルギー生産が世界で最も速い国だ。米国は11年をかけて2基の原子炉を増設した。過去30年で増設したのはこの2基だけだ。国際原子力機関(IAEA)のデータによると、中国は過去10年余りで40基弱の原子炉を建設した。太陽光発電分野を見ると、中国の22−23年の新規設備容量は世界の合計を上回った。
米国の新たな「特大規模」データセンター団地は大量の電力を消費する。これらの拠点は通常、人口の中心地もしくはその付近に位置する必要がある。ところがこれらの地域の送電網はすでに極限まで逼迫している。この集中的な計算への電力を確保するためのイノベーションが必要だ。まず、問題を最もスムーズかつエコロジーに解消できる方法は節電だ。そのためにはより高効率なAIソフトとより良いチップを作る必要がある。次に、米国は送電システムをよりスムーズにアップグレードするべきだ。最後に、中国に学び全米の高圧送電回廊を作るべきだ。
今世紀の最初の10年において、米国の経済成長の大半は技術分野の世界的な主導権から得られた。AIは次のウェーブだ。米国は最も先進的なAIモデルの人材、投資家の基礎、企業、研究機関を持つ。しかし力強いデータ高速道路システムがなければ、米国の技術進歩は辺鄙で狭い「小道」の制限を受ける。
(筆者=ダニエラ・ラス マサチューセッツ工科大学AI実験室所長 ニック・エンリケス 米エネルギー省高等研究計画局学者)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年9月26日