中国は2017年に壮大な人工知能(AI)発展計画を発表し、30年までに世界をリードする水準に達するとの目標を掲げた。この計画によると、中国のAI技術は20年に「重要な進展」を迎えた。ところが22年末にOpenAIのChatGPTが登場すると、中国を含む全世界が驚かされた。米ニュース雑誌「タイム」が伝えた。
中国は今日まで、一連の印象的なAIの成果を発表している。米国の同分野におけるリードはすでに縮小している。アリババと中国AI開発企業の深度求索は昨年11月にそれぞれ推論モデルを発表した。これらは一部の面でOpenAIの「o1」β版に匹敵する。中国のコンピュータゲーム大手テンセントは同月、オープンソースモデル「混元」を発表した。内部のテストによると、このモデルはいくつかのベンチマークテストで、米国が開発したトップレベルのオープンソースモデルを上回った。深度求索は24年末に「DeepSeek-v3」を正式に発表し、オープンソースAIの最高ランクを獲得し、OpenAIやAnthropicなどのトップレベルのクローズドソースと肩を並べた。
「DeepSeek-v3」が発表されるよりも先に、中国のAI発展はグーグル元CEOで、米国のAI政策をリードするエリック・シュミット氏から注目されていた。シュミット氏は昨年5月の段階では、米国はAI分野で2年から3年のリードを保っていると自信満々に断言した。ところが11月には態度を大きく変え、アリババとテンセントの進歩を中国による追い上げの証拠とした。「これは非常にショッキングだ。私は半導体規制が中国を蚊帳の外に追いやると思っていた」
米カーネギー国際平和財団の学者であるスコット・シンガー氏は、「米政府内では、中国を交渉のテーブルに呼ぶことへの躊躇が見られる。これは米国がリードしているならば、なぜそれをシェアしなければならないのか、ということだ。しかし私は中国とAIについて協議する合理的な理由があると考える。中国が追い上げてくるならば、双方のシステムの安全性を保証するため対話を考慮するべきだ」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年1月13日