商務部の何咏前報道官は13日の定例会見で、「ウォルマート呼び出し」や「他に呼び出しを受けた企業、もしくはこれから呼び出される企業」について、「商務部はすでに、ウォルマートがサプライヤーに値下げを要請したという報道に注意しており、一部の企業からの本件に関する報告を受けている。商務部の関連司はウォルマートから関連状況について把握し、ウォルマートは関連状況について説明した」と述べた。

ウォルマート呼び出しは、米国の関税措置によるコストを転嫁し、中国のサプライヤーに大幅な値下げを要請したことによる。米ブルームバーグは先週、消息筋の話として、「キッチン用品及び衣料品のサプライヤーを含む一部の中国企業はウォルマートより、トランプ政権による追加関税のすべてのコストを転嫁するため、毎回の関税で10％の値下げを要請された。しかしこの要請は中国の多くのサプライヤーから反発を招いた」と伝えた。

米CNNは13日、「1996年に中国市場に進出し、深セン市で初の大型スーパーとサムズ・クラブをオープンさせてから、ウォルマートは中国で好調な経営を維持し、事業が順調に発展した。ウォルマートは現在、中国の100以上の都市に店舗を置く。直近の会計年度の中国での純売上高は前年比16％増の170億ドルにのぼった。ところがウォルマートは現在、中国と米国のエスカレートを続ける貿易戦争に巻き込まれた」と伝えた。CNNは別の報道の中で、米政府の乱れた関税措置に多くの企業が苦しめられているとした。

米サイト「ビジネス・インサイダー」の13日の報道によると、みずほ銀行アジアマクロ研究主管のVarathan氏は同日、報告書の中で「中国のサプライヤーが関税による影響を受け入れるよう迫られれば、ウォルマートを対象に行動に出ると、中国側は実質的に、このような警告を発した」とした。Varathan氏はさらに、「中国は、関税の手段により中国製造業の利益空間を狭めようとする米国の狙いに警戒し、備えている」と補足した。中国紡績品輸出入商会は12日、「値下げ要請が事実であれば、会員企業の合法的な利益を守るため積極的に措置を講じる」と表明した。

中国数実融合50人フォーラムの専門家である洪勇氏は「環球時報」に、「米政府の関税措置は中国と米国の企業、それから米国人消費者の利益を損ねる。中国商務部はウォルマートを呼び出し、国際貿易の公平なルールをしっかり守ることを示し、市場秩序の重要性を強調し、国内サプライヤーの合法的な権益を守る立場を表明した。また中国側は、その他の関連する外国企業も中国の法律と規則を遵守し、商業の道徳を尊重し、市場の有利な地位の濫用を避けるようシグナルを発信した。中米両国の経済・貿易分野の摩擦と食い違いは不可避だが、問題解決の鍵は多国間主義とルール指向の道にある」と述べた。

「中国網日本語版（チャイナネット）」2025年3月14日