世界経済の不確実要素が増し、越境商取引が挑戦に直面し、世界的な保護貿易主義が台頭する状況下、世界各地から企業が集う広交会の出展規模が過去最大を更新し、中国の貿易が鮮やかな成績を収めた。これは何を示しているのか。

北京師範大学教授、経済学専門家の万喆氏は、構造の高度化、強靱性の強化、開放の深化というシグナルを発していると見る。まず貿易構造については、バリューチェーン上流への移行が進んでいる。広交会ではスマート製品専門エリアやスマート医療専門エリアなどが多くの企業・製品を集め、中国が「製造大国」から「スマート製造強国」への変貌を遂げ、新興分野で成長余地を開拓したことを示している。

次に、市場多角化戦略の顕著な成果だ。「一帯一路」共同建設国との貿易額が増加し、貿易総額の50%を超えた。ASEAN、中南米、アフリカ等の新興市場の寄与も極めて顕著だ。広交会のデータもこれを裏付けている。この構造は欧米市場への依存度を下げ、新興市場成長によるリスク分散効果を発揮した。

それから、政策のボーナスと制度型開放による相乗効果だ。RCEP発効、関税調整、クロスボーダーEC総合試験区の拡大等の政策が重なり、貿易成長の新たな原動力を形成した。開放の窓口である広交会は輸入展の設置等により、内外循環の深い融合を促進している。

さらに、グローバル供給網の強靱性の持続的な強化だ。前3四半期には民間企業が貿易安定化の主力となった。広交会では中小企業が集積効果と政策支援で国際競争に積極的に参加し、中国のグローバル供給網ハブとしての地位を固めた。広交会の活況と貿易の好成績は、中国経済の強靱性の縮図であると同時に、世界貿易構造再編の証左と言える。

「中国網日本語版（チャイナネット）」2025年10月17日