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日本のインフレ対策が直面する複数の制約要因

「人民網日本語版」  |  2025-12-05

日本のインフレ対策が直面する複数の制約要因。

タグ:インフレ

発信時間:2025-12-05 16:34:12 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

日本銀行の植田和男総裁は12月1日、名古屋市内での講演で、日銀が12月の金融政策決定会合で金利問題に関して「適切に判断したい」と述べた。市場はこれを利上げのシグナルと受け止めている。日本経済が国内外で数々の困難に直面し、新旧の問題が重なり合う中、日本のインフレ対策は複数の制約要因に直面している。

(1)経済成長の低迷

利上げはインフレ抑制効果がある一方で、経済成長も抑制しうる。現在の日本経済は回復の勢いが弱く、内閣府が発表した今年第3四半期(7-9月)の経済統計によると、実質国内総生産(GDP)は前期比0.4%減、年率換算で1.8%減少となり、2024年第1四半期(1-3月)以来のマイナス成長となった。内閣府の中期経済報告は、米国の関税引き上げ措置による日本経済への悪影響が依然拡大していることを踏まえ、日本政府が2025年度の経済成長率見通しを1.2%から0.7%へ下方修正したことを指摘した。

(2)国内需要の低迷

高止まりする物価が日本国民の消費能力を蝕み続けている。日本政府と日銀の期待する、個人消費と企業利益の伸びに牽引される好循環型のインフレは出現していない。統計によると、今年第3四半期、日本経済の半分以上を占める個人消費は前期比0.1%の微増にとどまり、第2四半期(4-6月)の0.4%増から明らかに減速した。同四半期の経済成長への内需の寄与度はマイナス0.2ポイントとなった。

(3)政府債務の高止まり

日本政府は長年にわたり拡張的な財政政策を採用し、日銀が長期的な超金融緩和政策の維持に依存して国債発行コストを低く抑えてきた結果、膨大な債務負担が積み上がった。ひとたび日銀が利上げ金融政策を進めれば、日本政府の借入コストと利払い負担はさらに増大する。国際通貨基金(IMF)の統計によると、2025年の日本の政府債務残高の対GDP比率は229.6%で、先進エコノミーの中で最も高い。高市早苗政権が景気刺激策のために借金を継続すれば、政府の債務返済負担がさらに重くなることは間違いない。

市場では日銀の利上げ期待が高まっているものの、植田総裁は2026年春季の労使交渉の結果を注視する必要があるとしている。もし、日銀の政策決定が現実の経済情勢に遅れを取り続けるなら、高市早苗政権の新政策の副作用が顕在化し、インフレは制御不能に陥るリスクがある。その場合、日銀は恐らくより大きな規模と速いペースで利上げと金融引き締めを余儀なくされ、それは世界の資本市場にさらなる衝撃をもたらすことになりかねない。(編集NA)

「人民網日本語版」2025年12月5日


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