中国疾病予防控制センターと北京生物製品研究所が共同開発したDNAワクチン(天壇天然痘ワクチン複合型エイズワクチン)が1日、北京の協和医院で一組目のボランティアに接種され、中国が独自に開発したエイズワクチンの第I期臨床試験がスタートした。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
同センターの専門家によると、このエイズワクチンはDNAワクチンと組換え型天然痘ワクチンの2種類で構成され、中国が独自の知的財産権を保有している。ワクチンの免疫原には中国で最も流行している構造遺伝子(gag・pol・env・nef)4個を含んだHIVウイルスのCRF-07、ベクター(遺伝子を細胞へ効率良く導入するための運び役)には天然痘ウィルス「天壇株」が選択された。天然痘ウイルスは中国の天然痘ワクチンに幅広く利用され、数億人に応用して安全性が十分に検証されている。第I期臨床試験のワクチン接種が成功すれば、研究スタッフは第II期、第III期の研究を進めていくという。
このワクチンの研究開発は、「国家863計画(1986年3月に始まるハイテク研究発展計画)」に盛り込まれ、欧州連合(EU)の関連プロジェクトから支援を受けている。エイズワクチンは世界中で、20年余りにわたり研究されてきたが、巨額の資金を投じて100回以上の臨床試験が行われたにもかかわらず、いまだに効果が上がっていない。これまでに2つのプロジェクトが第III期の臨床試験を完成したが、結局失敗に終わった。
「人民網日本語版」2007年12月4日
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