中国での研究において、大豆タンパクの摂取による健康への影響が性別により異なることが明らかになった。国際的な学術誌「栄養学雑誌」の最新号で、この研究成果が発表された。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
中国科学院上海生命科学研究院栄養科学研究所の林旭研究員が率いる研究チームは、「中国高齢人口の栄養健康情況」をテーマした研究に基づき、大豆、豆製品、大豆タンパクの摂取量と代謝性疾病の関連性について系統的な分析を行った。
その結果、年齢、地域、喫煙、飲酒、運動、教育レベル、仕事の状況、疾病状況、食生活など各種要素を統一して行った研究で、大豆タンパクの摂取量に伴う代謝性疾病との関連性において、性別により大きな違いがあることが明らかになった。
林旭研究員によると、閉経後の女性は大豆タンパクの摂取量が多ければ多いほど、代謝性疾病の発病リスクが低くなるそうだ。また、男性においては、大豆タンパクの摂取量が多ければ多いほど、血圧異常の発生リスクは低くなるが、血糖値に異常が出る恐れがある。
今のところ、これらの差異における生物学的メカニズムは明らかになっていないが、大豆イソフラボンに含まれるエストロゲンおよび抗エストロゲンの2重作用と関連しているのではないかと推測されている。
中国の科学家によるこの研究は、大豆タンパク摂取量の代謝性疾病への影響は、性別によって違いが存在する可能性があることを提示した。このため、大豆タンパクが異なる性別や年齢層の健康に与える影響については更に研究を進める必要がある。(編集WM)
「人民網日本語版」2008年12月15日