中国科技大学と中国科学院物理所の専門家はこのほど、太陽エネルギーで精製した世界初の単結晶シリコンを製造した。09年「中国物理快報」第26巻第7期に掲載された文章「Silicon Purification by a New Type of Solar Furnace」で、陳応天教授らは独自に発明した太陽エネルギーでシリコンを精製する新技術が世界で初めて成功したと紹介された。「科学時報」が伝えた。
メンバーの一人、中国科学院の何氏によれば、これは中国の太陽光発電技術の分野にとって重大な革新であり、今後高効率かつ低コストで高純度シリコンの製造ができるようになる。
陳教授らは独自に発明した「天光象主動光学理論」を用いて、低コストで新型の太陽エネルギー炉を制作し、1万倍以上の太陽エネルギーを有効かつ安定的にテニスボールぐらいの大きさに集め、数秒間でタングステン板を熔かした。これはすなわち太陽炉の温度が3500度にまで上昇し、高効率かつ低コストで高純度シリコンが製造できる新たな可能性が出てきたことを意味する。
何度も実験を繰り返し、この方法を応用して得たシリコン粒子を凝固加工して純度を上げ、グロー放電質量分析法で測定したところ、この高純度多結晶シリコンの純度は99.9999%のソーラーグレードに達した。
何氏によれば、この新しい方法だと、製造エネルギー消費量を今の200-400キロワット時から30-40キロワット時に、製造コストも今の1キロ当り40-80ドルから20ドルに削減できる上、環境にもやさしいという。(編集KA)
「人民網日本語版」2009年6月30日