中国と米国は共同で世界最大の天体望遠鏡を建設する協議を進めている。人民網が31日伝えた。
米カリフォルニア工科大学のJean-Lou Chameau学長は28日取材に応じ、「これは巨大なプロジェクトで、中国を含む国際社会の参加が必要になる。6、70年先の物理学と天文学の発展方向を決定づけるものだ」とコメントした。
同学長の言うプロジェクトとは、現在開発中の30m超大型光赤外望遠鏡計画(TMT)のこと。カリフォルニア大学とカリフォルニア工科大学を中心に開発が進められ、すでにカナダと日本も開発に参加している。同学長は今回、カリフォルニア大学サンタバーバラ分校のヘンリー・ヤン学長と共に訪中し、TMT計画の提携内容について具体的な協議を行った。
TMTは世界最大の天体望遠鏡で、「サイズ」が巨大なだけでなく、その敏捷性もハッブル宇宙望遠鏡の100倍以上といわれる。130億光年外の宇宙の様子をとらえることができ、解像度もハッブル宇宙望遠鏡の10倍以上。太陽系外の生命探索にも役立てられる。
TMT計画には現在10億ドルが投じられている。使用寿命は最低60年とされ、参加各国には投資額に応じて相応の望遠鏡を使った観察期間が与えられる。
「TMTは投資負担が大きく、最先端技術を必要とし、天文台設置場所の要求が高いため、世界が協力して共同で出資・建造する必要がある」と天体物理発展戦略専門家研究会の陳建生主席(中国科学院院士)は語り、「中国の天文学は今後、国際協力を強化しなければならない。研究にばかり没頭していてはならない」と指摘した。
陳主席はさらに、中国が正式にTMTに参加するかどうかは、TMTに参加することへのメリット・経費投入・リスクなどの要素を考慮して最終決定が下されると述べた。(編集KA)
「人民網日本語版」2009年9月1日