類人猿からヒトまで、人類はどのような速度で変化を遂げてきたのか?中英の科学者が遺伝学におけるこの基本的な問題の答えを導き出した。雑誌「Current Biology」の最新号に掲載された報告によると、彼らはヒト遺伝子のヌクレオチド突然変異率を測定することに成功したという。中国網が31日に伝えた。
この研究は英国ウエルカムトラスト・サンガー研究所と中国人民解放軍総医院、深セン華大遺伝子研究院などの機関が協力して行った。論文の第一筆者である、サンガー研究所の薛雅麗・博士は「私たちは最新のDNA配列測定技術を用いて、中国の大家族における2人の男性のY染色体の測量を行った。結果、全てのヒトの体にはヌクレオチド約200個分の新たな突然変異があることがわかった」と述べる。
サンガー研究所が用いた新しいDNA配列測定技術は、これまでの技術で測定するのに数年かかっていたデータ量を1週間で測定することができる。同研究のリーダーを務めたサンガー研究所のクリス・テーラースミス博士は、「この技術を用いて遺伝子の突然変異率を測定したのは初めてだ。技術の進歩がなければ、この研究を成し遂げることは想像できなかった」と述べた。
研究スタッフは新技術を利用して上述の2人の男性のヌクレオチド1千万個以上の対比を行い、12カ所が異なっていることを発見した。しかしそのうちの8カ所は細胞の体外培養の際に発生するものだった。このため、13世代の累積の中で、1千万個以上のヌクレオチドのうち、本当の突然変異は4カ所のみだった。ここから推測すると、1世代ごとに3千万分の1のヌクレオチドが突然変異を起こす計算になる。つまり全てのヒトの体にはヌクレオチド約200個分の新たな突然変異があるということになる。(編集SN)
「人民網日本語版」2009年9月1日