中国科学院上海ケイ酸塩研究所によると、中国が単独で開発した、サイズの大きい、高純度の二酸化テルル結晶が大型国際科学研究プロジェクト「低温の地下で観測する稀有な物理現象(CUORE)」に採用され、すでに300個の結晶が提供された。この研究成果により、暗黒物質の探査という先端分野における中国の国際的な影響力が高まった。科学網が15日伝えた。
イタリアで進められているCUOREプロジェクトは、約750キロの二酸化テルル結晶を放射熱量計として利用する。90年代以降、同プロジェクトの科学者は全世界で条件を満たす、サイズの大きい、高純度の二酸化テルル結晶を探してきた。上海ケイ酸塩研究所は1994年から同プロジェクトの要請で、この研究開発に取り組み、07年に条件を満たす二酸化テルル結晶の開発に成功した。
現在、上海ケイ酸塩研究所は世界で唯一、同プロジェクトの要求を満たす二酸化テルル結晶を提供できる研究機関で、プロジェクトチームも最終的に同研究所を二酸化テルル結晶の調達先に確定した。08年1月、両者は千個の二酸化テルル結晶の契約を取り交わし、これまでに300個が提供されたが、すべてニュートリノ(中性微子)測定用の高純度二酸化テルル結晶の条件を上回るものだった。(編集KA)
「人民網日本語版」2009年10月16日