工業情報化部は16日、中国の粗鋼生産量が今年、前年同期比約5%増の6億6千万トン前後となるとの見通しを発表した。ちなみに、昨年の粗鋼生産量は6億2700万トンで、増加スピードは9.3%だったことから、粗鋼生産量の増加スピードは今年、大幅にダウンすることになる。工業情報化部によると、中国の鉄鋼業の急速な発展段階はすでに収束に向かっており、大型・中型鉄鋼工場の大部分が昨年は薄利又は赤字状態だったという。京華時報が17日に伝えた。
工業情報化部が発表した文書によると、大型・中型鉄鋼会社の昨年の利益は897億元だった。うち、利益額が高かった20社の利益が全体の83%を占め、宝鋼1社の利益が26%を占めた。一方で、大多数の企業は薄利又は赤字状態だった。重点大型・中型鉄鋼会社の利益を見ると、売上高の伸び率は2007年の7.26%から2010年には2.91%と年々減少しており、全国工業企業の平均水準6.2%を大きく下回った。
これは主に、ここ数年で大口原料の価格が大幅に上昇したことによるものだ。重点大型・中型鉄鋼会社の生産コストは昨年、30.7%上昇した。生産コストの大幅な上昇は、鉄鋼会社の利益に深刻な影響を与えている。
工業情報化部は「国内の経済構造調整の圧力が高まり、鋼材の消費が減少している。また、国際市場の競争が激しく、鋼材の輸出も楽観できない。このほか、大口原料・燃料の価格は依然として上昇しており、鉄鋼の生産コストは引き続き上昇するだろう。今年、鉄鋼業界の生産経営はさらに厳しい局面を迎えることになる」と指摘している。(編集SN)
「人民網日本語版」2011年2月17日