中国科学院、中国工程院のベテラン院士親睦会による「レアアースと環境問題」をテーマとしたシンポジウムがこのほど北京で行われた。専門家らは中国のレアアース産業が現在直面する問題について討議を行い、将来の発展に向けた意見と建議を提出した。「科学時報」が28日に伝えた。
国務院の温家宝総理は16日、国務院常務会議を招集し、レアアース産業の持続的で健全な発展に向けた政策・措置について討議、手配した。シンポジウムに参加した専門家らは、「この会議で打ち出された重大措置は、中国のレアアース産業発展にとって非常に重要な意義を持つだろう」との見方を示している。
シンポジウムに参加した院士らはこれを基礎として、以下の具体的な提案を提出した。
一、中国のレアアース開発・利用・貯蔵・貿易戦略を制定するため、中国のレアアース資源の状況をより一層明らかにする。
二、レアアースの採掘過程における環境問題を解決するため投資を拡大し、レアアースの輸出価格を適切に調整する。
三、各レアアースの重要性と、中国のレアアース資源保有状況に基づき、輸出量を制御する。
四、レアアースが人口と健康に及ぼす影響を系統立てて研究し、レアアースの安全使用量を制定する。
五、軍事、宇宙、エネルギーなどのハイテク方面におけるレアアースの重要な役割について宣伝する。
六、包頭鋼鉄稀土公司はレアアースの総合的利用を主な任務とし、中国のレアアース資源管理・開発・ハイエンド産業での応用に向けた模範とならなければならない。(編集SN)
「人民網日本語版」2011年2月28日