国家国防科技工業局が明らかにしたところによると、中国の月探査衛星「嫦娥2号」はこのほど、地球から172万キロ離れた深宇宙から第1弾となる測定データを転送することに成功した。「人民日報」が21日に報じた。
これらのデータは「嫦娥2号」が月の周回軌道から太陽-地球ラグランジュ点(L2)への飛行中に、太陽風イオン計測器、太陽高エネルギー粒子計測器、γ線スペクトロメータの3種類の観測機器が取得した宇宙環境データ。
「嫦娥2号」は9月15日午後7時25分から毎秒750キロバイトの速度で3時間あまりにわたって転送を行い、3種類のデータを全て地上に転送。ダウンロードデータは7ギガバイトに達した。これらのデータは宇宙環境への認識を深め、天文学研究を行う上で重要な価値を持つ。プロジェクトの計画に基づき、「嫦娥2号」はまもなく残りの観測機器を起動し、さらなる科学探査任務を行っていく。
「嫦娥2号」は8月25日23時27分、世界で初めて月の周回軌道を離れ、L2点の周りを周回する軌道に入ることに成功した。9月20日現在、「嫦娥2号」はすでに同軌道上を26日間にわたり安定的に運行している。衛星の状態は良好で、各種コントロールは正常に行われている。(編集SN)
「人民網日本語版」2011年9月21日