生命の起源に関する最も有力な仮説は、地球の最初の生命は40億年前、深海の底から吹き出す熱水の穴で発生したというものである。しかし日本の研究チームが最新の学説を発表した。染色体の構造分析を通じ、日本の鉱山の地下に生息する細菌の一種が、これまで発見されたどの細菌よりも古いものであることが明らかになったのだ。
日本海洋研究所開発機構の研究グループが、鹿児島県北部にある鉱山を調査した。その地下300メートルにある、摂氏約70度の温泉が流れた岩石上から、16種類の細菌が採取された。この場所は高温で酸素がなく、生命が誕生した頃の地球、つまり二酸化炭素と水素だけの環境と似ていた。
研究グループは、採取した16種類の細菌の染色体構造を分析し、高温を好む細菌「Acetothermus」を発見した。この細菌は、これまで発見された細菌のなかで最も地球初期の生命に近いものと考えられる。酸素のない環境でも、二酸化炭素と水素からエネルギーを作り出すことでできる細菌で、糖分を合成できる酵素も持つ。これこそが、地球の初期生命に欠かせない重要な特徴なのである。
研究を指揮する日本海洋研究開発機構、主席研究員の高見英人氏は、この発見が初期の生命形態を明らかにする上で役立つと同時に、地球外にどのような生命が存在しうるのかを考える上でも参考になるとする。この研究に関する論文は18日、米国誌“PLoS ONE”のウェブ版で発表された。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年1月23日