西昌衛星発射センターで、キャリアロケット「長征3号乙(改良型)」が高さ90メートル余りの発射台に収められた。発射台の内部では、発射前の最後の準備作業が進められており、発射場のシステムは良好な状態を維持している。人民日報が伝えた。
中国の月探査プロジェクト第2期として打ち上げられる月探査機「嫦娥3号」の各システムの準備が整った。嫦娥3号は発射命令を待つ段階に入っている。
◆嫦娥2号を上回る重量
記者が発射現場を取材したところ、今回嫦娥3号の打上げで使われるのは、「アジア第一の塔」と呼ばれる発射場2号発射台であることが分かった。2010年10月1日の月周回衛星「嫦娥2号」の発射任務も、この発射台が担当した。
キャリアロケットシステム総指揮者の岑拯氏は、「2号発射台はブースターを持つロケットの発射任務に使用される。今回月探査機を発射する長征3号乙(改良型)には4基のブースターが取り付けられているため、2号発射台が使用されることになった」と語った。
岑氏は、「嫦娥2号の発射と比べ、嫦娥3号はより高い耐荷重性と推進力を必要とする。同じく月周回軌道に乗せることになるが、嫦娥3号の重量は嫦娥2号を約1トン上回る。また軌道投入の精度は嫦娥2号の3倍以上に達しなければならず、信頼性に対してより厳しい要求を突きつけている。ゆえに各技術の進展により、発射の需要を満たさなければならない。今回発射任務を担当する長征3号乙(改良型)の全長は56メートル以上に達し、4基のブースターを搭載している。離陸重量は約456トンで、発射重量が約3780キロの嫦娥3号を打上げる」と説明した。