上海浦東の中環道路を車で下りると、遠くにひときわ目立つ少し暗い赤色の建物が並んでいるのが見える。中国の民間航空機製造会社、中国商用飛機有限責任公司の上海飛機設計研究院である。国産の大型機の本陣営といえる場所だ。
先月23日、習近平国家主席は同研究院を訪れ、自主知財産権を有する国産C919大型旅客機に大きな期待を寄せた。そして、大型旅客機の研究開発と生産製造力は国の航空分野における水準の重要な指標であり、一国全体の実力を測る重要な指標であると述べた。その上で、我が国が自主研究開発した大型機が一日も早く青空を羽ばたくことを期待していると現場の研究者らを激励した。
「大型機製造にあたっては、国際基準にも則したプロセスで着実に一歩一歩歩んでいる。」そう語るのはC919プロジェクトの陳迎春常務副総設計士。
中国は旅客機製造の経験が少なく、産業チェーンの基盤は脆弱で、民用機内の製品製造を行う企業すらない。その意味で欧米諸国と比べ中国は大型機開発に多くの課題を抱えている。「C919開発の歩みにおいて、自社製造・自社生産のモデルをとるしか選選択肢はなかった。ボーイングやエアバスもそうである」。中国によるデザイン、中国によるシステムインテグレーション、国際入札、そして国産化レベルの向上という発展戦略は、有効であることを実践が証明していると陳氏は語る。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年6月5日