報告書は大会の開催について、北京・張家口の宿泊施設・交通施設・メディアなどに非常に満足しており、北京の潜在的な渋滞問題のみに懸念を示した。報告書はさらに、北京・張家口には経験豊富な氷上スポーツ運営の専門家がいないと判断した。IOCは、「アルマトイで開催された場合、既存の宿泊施設は需要を満たせないおそれがある。アルマトイはさらに、現地の個人経営の宿泊施設が、五輪開催期間以外に値上げすることを防げない」と指摘した。
報告書は冬季パラリンピックについて、パラリンピックを開催した北京は経験が豊富で、かつ中国の経済規模と人口は障害者のスポーツ普及の良好な条件だとした。報告書はまた、アルマトイは冬季パラリンピックによって障害者の娯楽・レジャー施設を建設しようとしているが、現地での障害者スポーツの普及は限定的だと判断した。
報告書は選手の体験について、北京の大気品質に特に触れ、「非常に困難ではあるが、北京政府は2022年までに、大気品質が世界保健機関の基準を満たすよう全力を尽くすはずだ」とした。報告書はまた、北京・張家口冬季五輪が招致に成功した場合、その開幕式は「伝説的な」鳥の巣(北京国家体育場)で実施されるが、この体育場は選手にとって「素晴らしい環境」であると評価した。
アルマトイと北京・張家口は今月9−10日、スイス・ローザンヌのIOC本部で最後の説明を行う。IOCの全メンバーはそれまで、報告書を精読する。IOCは7月31日、マレーシア・クアラルンプールの投票により、2022年冬季五輪開催都市を決定する。投票前に、立候補都市は最後の説明のチャンスを与えられる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年6月2日