良好な生態環境で様々な利益
「四川で長江上流の環境保護プロジェクトがなければ、あるいは四川省が一貫して自然保護を続けてこなければ、『カンフー・パンダ3』のあの美しいシーンが作られることはなかった」と、四川省林業庁の総工程師である駱建国氏は胸を張る。
2014年、四川省の森林カバー率は35.76%に達し、全国平均を14ポイント上回った。長江上流の環境保護プロジェクトの成果である。2015年末の森林面積比は、前年同期比で約200万ムー(1ムーは約666平米)増加した。現在までに四川省は累計1億ムー以上の森林を造営してきた。森林の蓄積、森林の面積はそれぞれ全国3位と4位になっている。商品用木材生産量を減少させたが、その成果は700万ムー以上の森林伐採量に等しい。53%以上の天然湿地帯が有効に保護されている。長江に毎年排出される四川省の土砂量は、土砂流が最もひどかった年と比較して80%に減った。長江に排出される土砂量は年間で約3億トン減少した。
上流の森林を保護した結果、四川省全体の森林や湿地帯がもたらす栄養のある水源や大気による「生態サービス」の価値は、年間1兆6500億元に達するとされる。また生態環境の改善は、1万種以上の高等植物や、1200種以上の陸上脊椎動物を保護するのに有効である。パンダなど絶滅危惧種の絶滅回避と繁殖数増加にもつながっている。