ドイツ・フランクフルトで開催された「国際スーパーコンピューティング会議」で20日、世界のスーパーコンピューターの最新TOP500ランキングが発表された。国家並列コンピューター工学技術研究センターが開発した「神威・太湖之光」が演算速度で2位に3倍近くの差をつけて第1位に輝いた。プロセッサを含むすべての核心部品がすべて国産化されたシステムでのこの成果は、とりわけ人々を奮い起こさせるものと言える。
世界最速のスーパーコンピューター「神威・太湖之光」システムに基づく3件のシミュレーションソフトウェアも、世界の高性能コンピューティングソフトウェア分野の最高の賞である「ゴードン・ベル賞」に選出された。同賞は設立から30年が経つが、中国の研究チームが選出されたことはなかった。「神威・太湖之光」システムに基づいて開発された課題は、受賞総数の半分となる3件が選出された。
世界最速の演算とはどういう感覚なのだろうか。簡単に言えば、このコンピューターでの1分の演算は、全地球人による32年分の計算に相当するとされる。
通常のコンピューター200万台以上に匹敵
「簡単に言えば、このシステムの1分間の計算能力は、世界の72億人が計算機で同時に計算し続けて32年分に相当する。今年生産されている普通のノートブックパソコンやデスクトップパソコンと比べれば、『太湖之光』は200万台に匹敵する」と、国家スーパーコンピューティング無錫センターの楊広文・主任は語る。
国家スーパーコンピューティング無錫センターを訪れた記者は、1000平方メートルの部屋に置かれた実物の「神威・太湖之光」を見ることができた。
このスーパーコンピューターは、40本の演算筐体(きょうたい)と8本のネットワーク筐体からなる。1台の筐体には1024個のプロセッサが配置され、スーパーコンピューター全体には4万960個にのぼるノードが配置されている。
「それぞれのプロセッサの計算能力は通常のノートパソコン20台以上に相当する。それが4万個以上組み合わされていると考えれば、その速度も少しは想像できるはずだ」と楊広文主任は語る。