トヨタとルノー日産三菱アライアンスは、2022−25年に「全固体電池」を採用した電気自動車(EV)を発売すると表明した。贛鋒鋰業も、第1世代全固体リチウム電池研究開発中間試験生産ラインを建設すると表明した。
恩力能源科技有限公司副総経理、CTOの車勇氏は21日、科技日報の記者に対して「高エネルギー密度と高安全性を兼ね備える全固体電池は、電池技術の最終目標であり、世界的に大きな流れを形成している」
全固体電池とは電池構造に液体が含まれず、すべての材料が固体で存在するエネルギー備蓄装置のことで「正極材料+負極材料」及び固体電解質で作られる。全固体リチウム電池は安全性及びエネルギー密度が高く耐用期間が長いといったメリットから、EVが理想とする電池だ。
車氏は「固体電解質が従来のリチウム電池の爆発しうる有機電解液の代わりになるため、高エネルギー密度と高安全性というジレンマを解消できる。EVオーナーは航続距離を心配する必要がなくなり、クイック充電も実現される可能性がある」と説明した。
科学者らの努力により、全固体電池技術の越えがたきボトルネックが解消されているが、依然として技術的な難題が存在している。車氏は「全固体電池の重要技術は、高イオン電導率に達する固体電解質材料技術、低抵抗固体・固体インターフェースを実現する先進製造技術だ」と話した。固体電解質材料について、東京工業大学の菅野了次教授が2011年に、室温のイオン伝導率が>10-2S/cm(従来の有機電解液以上)の硫化物固体電解質を開発した。
車氏は「この技術は現在、全固体電池の産業化のリーディングカンパニーとなっている、トヨタの技術の基盤をなしている。硫化物固体電解質と比べ、酸化物固体電解質は安全性が高く生産しやすいが、室温でのイオン伝導率の向上がまだ大きな難題となっている」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年3月23日