複数の地域で量子情報科学国家実験室(以下、国家実験室)の建設が進んでおり、長期投資は1000億元に上る。
2018年国際量子コード会議で明かされた情報によると、中国は上海や北京などで国家実験室の建設を進めている。合肥量子情報実験室の敷地面積は554ムーに達し、世界でも珍しい規模になる。
これは量子衛星「墨子号」と量子通信「京滬幹線」に続く、中国の量子化学分野への大規模投資となる。中国科学技術大学(以下、中科大)の関係者によると、同プロジェクトは安徽省と上海市からすでに10億元ずつのスタート資金を取得し、国による長期投資は1000億元に上る。
先週、中国、米国、ドイツ、オーストラリア、イギリス、フランス、日本などの国から専門家約500人が上海市で開かれた量子コード会議に出席し、量子通信分野の最新状況と今後の動向について話し合った。量子情報理論の創始者である米国人科学者のチャールズ・ベネット氏とカナダ人科学者のジル・ブラッサール氏も出席。これは中国が初めて開催した量子コード分野の最も有名で影響力のある国際学術会議で、量子通信の発展の産業化を後押しするとみられる。
1990年代以降、量子情報科学が急発展し、量子通信、量子コンピュータ、量子精密計測などの量子情報技術は情報のセキュリティ保護、演算速度の速さ、計測の精度の高さなどで情報技術の問題を解決し、国の安全保障と国民経済の持続的発展を支えるコア戦略となっている。
前瞻産業研究院の報告によると、2017年の中国の量子通信の市場規模は180億元に達し、2018年は前年比77.78%増の約320億元になり、2024年の量子通信業の建設・運営サービスの市場規模は912億元に達する見通し。中国の量子通信の市場規模は短期で100~130億元、長期で1000億元超になるとみられている。
注目すべきは、中国のIT大手のアリババ、騰訊、百度も今回の量子科学技術の会議に参加した点である。アリババは上海に「中国科学院・アリババコンピュータ合同実験室」を設立し、シリコンバレーにも量子実験室がある。そのほか、華為(ファーウェイ)もドイツに量子センターを設立している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年9月6日