中国科学院測量・地球物理研究所の研究チームは、衛星重力測定データ処理・分析のコア技術を把握した。中国は重力衛星データ処理・応用の自立を実現した。
衛星重力測定は地球の質量分布及び移動により生じる重力場及びその変化に基づき行う衛星測定技術で、地下水のモニタリングなどで非常に幅広く応用されている。中国科学院測量・地球物理研究所が発表した情報によると、同研究所大地測量・地球動力学国家重点実験室の「大地測量精密探査新理論及び新技術」革新任務チームと、「衛星大地測量及び世界的な変化」研究チームは高精度時間変数重力場製品の研究開発、ソフト・システムの研究開発で画期的な進展を実現した。
同シリーズの高精度時間変数重力場製品は、米テキサス大学宇宙研究センター、米国ジェット推進実験室、ドイツ地球科学研究センターの同類製品と同程度の精度を誇り、すでに世界のユーザーに向け公開されている。チームが自主開発した重力場反転ソフト・システムと衛星重力応用ソフト・システムは独自の知的財産権を持ち、関連ソフト著作権を取得している。
中国科学院測量・地球物理研究所の関係者によると、この研究成果は重力衛星データ処理応用の自主化を実現し、次世代重力衛星計画のシミュレーション、地域水資源管理・利用、地球動力学の関連研究などに対して重要な参考の意義を持つ。
衛星重力測定は地表から400キロ以上離れた衛星2基によって実施される。この2基のサイズはコンパクトカーに相当し、200キロ以上離れている。その測定の誤差は人間の髪の毛の直径の100分の1のみ。地表の質量移動により地球の重力場に変化が生じるが、地球の重力場の変化が2基間の距離に変化を生じさせる。そのためこの距離の変化を測定することで、地球の重力場の変化と地表の質量移動を反転させることができる。中国科学院測量・地球物理研究所の研究者は衛星重力測定を利用し、中国の華北・東北地区の地下水の観測を実施し、一連の重要な発見をした。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年9月15日