「表情包」の産業化が開始、知財権保護が課題に

「表情包」の産業化が開始、知財権保護が課題に。

タグ:表情包 産業化 

発信時間:2018-10-04 09:40:00 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 「00後」(2000年代生まれ)を始めとする若者にとって、「表情包」(日本のLINEスタンプに相当)は日常的な交流の重要ツールだ。表情包には意思疎通を補う効果があり、これで直接コミュニケーションできるほどだ。企鵝智酷が発表した「『00後』から『70後』まで:中国ネットユーザー春節消費娯楽調査研究報告書2018」によると、2018年の春節期間中に表情包で年越しの挨拶をしたネットユーザーの比率は45.6%に達し、電話やショートメールといった伝統的な方法を上回った。


 表情包の流行により、多くの創作者が生まれた。当初は有名人やスターが創作の素材に用いられていたが、その後さまざまな表情包が現れると、賢明な創作者は商機を見いだし「現金化」の道を歩み始めた。これにはサイトの「打賞」機能(インターネット上で公開された記事、写真、動画などのコンテンツに対して、賞賛や応援の気持ちを込めて投げ銭することを指す)が含まれる。


 微信表情に対する「打賞」機能が2015年に追加された。微信は優れた交流機能を持ち、月間アクティブユーザー数は10億人以上に達し、表情包の現金化を力強く支えている。作者はプラットフォームで登録し、制作マニュアルに合致した表情包をアップし審査を受ける。審査を通過した表情包は、ユーザーから「打賞」のお金を受けられるようになる。


 記者の調べによると、同プラットフォームの優秀なケースは「萌二」で、すでに延べ24万人から「打賞」のお金をもらっている。人気表情包「長草顔団子」の打賞者数は延べ10万人以上で、「蜜桃猫」シリーズも1万人を突破している。多くの創作者が同プラットフォームに進出している。


 人気の高い表情包の収益化の方法は、同プラットフォームの「打賞」機能に留まらない。作者はオフラインのコラボを模索し、表情包の関連商品を発展させている。例えばある人はタオバオの店主と協力し関連商品を開発し、ある人は出版社と協力し関連本を出版し、さらにある人はオフラインの実店舗を開いた。表情包は産業化発展の新たな道を歩んでいる。記者の調べによると、「長草顔団子」は3年前にタオバオ公式旗艦店を開き、人形、毛布、携帯カバー、照明などの関連商品を発売した。うち照明の売れ行きが最も好調で、累計1万5000個を販売している。単価69元で計算すると、売上は100万元以上だ。


 表情包の産業化発展には、知的財産権の保護などの新たな問題が存在している。近年の社会の発展・進歩に伴い、人々の知財権の意識が徐々に形成されており、正規版を支持し海賊版を撲滅することが社会の共通認識になっている。表情包が多くの「打賞」を集めていることは、新世代のネットユーザーの著作権消費意識の高まりを反映している。


 ところがネット全体を席捲した表情包「葛優座り」は、人気俳優の葛優本人から肖像権侵害として訴えられた。芸竜網公司は葛優の経済的損失と権利保護の合理的な支出の賠償として、7万5000元を支払い謝罪した。


 実在する人物を使った表情包の権利保護問題について、同プラットフォームは次のように規定した。本人の表情包で利益を創出する場合、権利侵害を防止するため著作権を持つ証明の提供が必要。また同プラットフォームは盗作に断固反対し、一連の審査メカニズムと整ったクレームのフローを構築しており、創作者の権利保護を支持している。


「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年10月4日


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