中国の小説が海外の著作権市場で人気

中国の小説が海外の著作権市場で人気。

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発信時間:2018-10-21 09:00:00 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 業界関係者は、中国文学の世界進出において、著作権エージェントと文学仲介人の専門的な活動は重要な一部だと見ている。成功する著作権エージェントはただ著作権を輸出するだけでなく、国際規定に基づいて作品をパッケージし、作家の作品ごとに魅力と市場価値を引き出し、一流の作品を一流のプラットフォームと引き合わせる。譚光磊氏は、中国の多くの作家が小説の翻訳版を出版して「大仕事を終えた」と感じ、海外プロモーションを積極的に行わずに最後の頑張りが不足していたり、全集を一気に出版してプロモーションの重点と見どころが欠けていたりすると指摘した。

 

 譚光磊氏は、海外に1人の作家を売り込むには、海外の業者と一度に契約するのではなく、最も引きつけやすい読者、共感されやすい作品から着手し、成果があれば引き続き進めるという方法がよいと考える。「着実に物事を進めるというのが我々のやり方。1冊の影響力が最大限になっても、2作目、3作目の小説を引き続き売り込む。『解密』は麦家作品の海外出版の道を切り開き、作家の認知度を高めることができる国際市場に合った代表作である。よいスタートが成功の半分につながり、『風声』から始めることは珍しいことではない」と述べた。

 

優れた小説は文化の壁を越えやすい

 

 SF小説の未来体験、武侠小説の恩愛と怨恨、サスペンス小説の神秘感は世界の読者が好きな感覚である。欧米の売れ筋ランキングにランクインした中国の人気小説『暗黒者』の英語版もそうで、作家の周浩暉氏は「犯罪は国内外にありふれたテーマで、探偵もの、刑事ものもの、スパイものは他の文学作品より文化の壁を超えやすく、幅広い市場で受け入れられる」と語っている。

 

 『風声』の英訳者でイギリス人漢学者のミルバーン氏は翻訳する過程で、麦家氏の小説に登場する英雄は「万能」ではなく、深い傷を負い欠点があり、自分を犠牲にして極めて困難な状況下で驚異的なものを得ていることに気づいた。物語と人物設定だけでなく、テクニックも重要である。海外の多くの出版業者は、『風声』は『暗算』の続きと言えるが、構造を変え、「証人全員が嘘をついている」という謎の設定にし、英語版読者は歴史的背景を知らなくても影響はないと見ている。

 

 ハーバード大学の王徳威教授が評価するように、『風声』は流行の「脱出ゲーム」であり、『オリエンタル急行殺人事件』、『ナイル川殺人事件』、『そして誰もいなくなった』などの有名推理小説に似ており、閉ざされた環境で登場人物に任務を与え、スリルがある。密室推理や真相が闇に包まれた構成は西側の読者が慣れ親しんだものだが、麦家氏の手法は西洋の作家と異なり「未視感」もあり、読者に何が起きているかを知りたい気にさせる。これは文学の魅力である。

 

 当然、優秀な翻訳者を見つけることも非常に重要である。『暗黒者』の訳者のザック・ハルザ氏の父親は警察であったため、小説の犯罪のいきさつを把握しやすかったという。麦家氏の『解密』と『風声』の英訳者ミルバーン氏の祖父は第二次世界大戦中にパスワード解読を担当していたため、ミルバーン氏本人も耳馴染みがあった。劉慈欣氏の『三体』の翻訳者の1人である劉宇昆氏はSF作家だった。優れた訳文は「再創作」と言え、各地の読者が言葉の壁を超え、小説を楽しむ手助けをする。


「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年10月21日



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