北京市民の黄さんは、「スマートレストランに行ったことがあるが、ロボットが1台あるだけで、進むスピードは遅く、料理を出す速さを上げるという目的を果たせていなかった」と述べた。業界関係者は、調理ロボット、スマートレストランはまだ初期段階にあると話す。スマート化された飲食サービスは情報収集処理、サービス、加工、応用などを含み、単純にロボットが調理したり料理を運んだりするだけではない。
インターネット時代、ユーザーの満足度の向上は企業がユーザーを獲得できる切り札となる。ロボットの使用も、ビッグデータでの消費者心理の分析も、飲食業の満足度を向上させるための手段である。
コスト削減・効率向上で発展促進
中国の飲食業は改革開放以降、「お腹が満たされればよい」から「心の満足」へと変化した。飲食業の売上高は20年以上連続で2桁の急成長を維持し、業界の見通しは明るく、市場余地も大きい。
多くの企業がスマートレストランを開設したことについて、中国料理協会の馮恩援副会長は、「科学技術の進歩、人件コストの増加、ハイテク人材の不足、公共飲食サービスに対する需要の増加などは飲食ロボットの発展を加速化させた」と話す。
京東X未来レストランの責任者の唐思宇氏は、飲食業は人件コスト上昇、運営効率の試練、変化が激しい消費者のサービスニーズに直面し続けており、ロボットとスマート技術の応用はコスト削減、効率向上を実現し、消費者に新鮮味を与えることができると話す。
中国電子学会が発表した『中国ロボット産業発展報告2018』によると、中国の主な公共サービスロボット企業32社のうち、配膳ロボットに専念する「第2梯団」企業は穿山甲と衆徳迪克の2社だけで、調理ロボットに専念する企業はない。
唐思宇氏は、調理ロボット技術は進化し続けているが、まだ初期段階にあると話す。技術の応用や安定度にしても、実際の運営における人力との連携にしても、様々な試みが必要だが、運営コスト削減と効率向上は飲食業の技術発展の方向であり、応用範囲の拡大は今後の動きとなる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年3月10日