絵画を22カ月習った「夏語氷」は、中央美術学院の院生卒業展に参加した。「彼女」はこのほど、中央美術学院美術館で個展を開き、約100枚の作品を展示した。
中央美術学院は22カ月で卒業できるのか、2年だけで約100枚の作品を個展に出せるのかと疑問に思われるかもしれない。
確かに人間の芸術家であればほぼ不可能な作業量だ。ところが夏語氷と名付けられたAIの「小氷」は、これらの「不可能」を実現することができる。
中央美術学院実験芸術学院長の邱志傑氏は記者に、「これらの卒業展に紛れ込んだAI作品は来場者に疑問を持たれることがなかった。むしろAIによる作品と見抜くことが難しかった」と話した。
小氷はわずか2カ月後、個展で7種の風格を持つ作品を展示した。企画者はこれらの風格の異なる作品に異なる人格を与えた。
その中にはロシアの特徴を持つ風景画、それから17世紀のオランダの画家レンブラントの風格を持つ作品、フランスの野獣派の画家マティスの味わいに近い作品、さらには日本の浮世絵らしい作品があった。
邱氏によると、関連チームはこれまで小氷の作品に、少なくとも十数種の風格を認めている。今回展示されたのはそのうち「最も優れた6人」のもの、それから小氷自身の作品だったという。
邱氏は、小氷ならば特定の風格を容易に学ぶことができると考えている。「彼女の学習能力の高さ、好みの広さは人類を超えている」
実際にAIは人類よりも絵画の風格を把握しやすい。邱氏は「同時に浮世絵、レンブラント、ゴッホの風格を描き出せる人は絶対に存在しない。小氷はすでに芸術圏を形成しており、この芸術圏と比べられる個人は存在しない」と話した。
邱氏によると、今日のAIが置かれている状況は、数百年前に撮影技術が誕生した時の状況と同じだ。画家の仕事はカメラによって代替されたが、絵画にも新たな定義が備わった。
「人間が小氷に絵画を教えるのは、猫が虎の先生になるようなもので、自分の敵を育てているようだ。ところが、この敵が強くなることで芸術家自身、人類自身が進歩できるのだ」
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年7月30日