中秋節の連休が過ぎ、多くの市民と観光客は、南京市の各観光スポットや公園で多くの若者が漢服を着ていることに気づいた。また、伝統文化をテーマとした大規模・小規模のイベントでも、漢服ショーは欠かせない項目となっている。統計は人々の印象と感想を裏付けている。CCTVの『経済情報聯播』は、全国の漢服市場の消費者は200万人を超え、市場規模は約10億9000万元だと伝えた。
想像しがたいが、漢服文化の流行は10年前は全く異なる状況だった。疑問視されていた状況から高い境地に達し、人気を集めるまで、南京市の漢服業者と熱狂的ファンは苦労を経験した。彼らはこの現象をどうとらえているか。それぞれどのような経験をしてきたか。
愛好家は以下のように述べた。
「見た目が良い」から始めた
中秋節の前、南広学院の4年生の王郁凱さんは揚子晩報の「秦淮で中秋に告白」オリジナルブログ・ショートムービーコンテストに応募した。彼は「役者」でルームメイトの張碩さんを連れて門東街区で撮影した。テーマは門東街区の街並み。観光スポットで多くの観光客、特に若者が漢服を着て散歩したり撮影したりし、注目を浴びているのを目にし、王郁凱さんはイケメンでロングヘアの張碩さんは漢服が似合い、動画の中で主役が現代の洋服から漢服に着替える部分は見所になると思った。
説得の末、張碩さんは観光スポットの漢服店でレンタルした漢服に着替えてくれた。意外にも、漢服を初めて着た張碩さんも着替えるとその気になり、青のレンガ・赤瓦の門東街区を歩きながらかっこいいポーズをとり、王郁凱さんその姿を撮影した。最終的に、王郁凱さんの作品は優秀作品に選ばれ、揚子晩報は9月13日の中秋節当日に12時間中継『秦淮での詩吟と月見』で流し、彼は揚子晩報・紫牛新聞アプリの最初の「紫牛アップロード者」になった。
「おしゃれをしたいという思いは誰にでもあり、多くの漢服愛好家が見た目が良いという理由で始める。すぐにやめる人もいるが、情熱と理想が徐々に生まれてのめり込む人もいる」と話す金陵漢服文化協会会長・南京夫子廟国学文化顧問の賈蓓敏氏は、2003年から漢服活動に参加し、南京の漢服界の「大物」と言える。
賈蓓敏氏は揚子晩報の記者に対し、最初は南京市の漢服活動の参加者は20歳前後の大学生と社会人になったばかりの人たちに限定されており、人数が少なかったと明かした。今では、漢服を着て外出する若者が増え、漢服は各年齢層で流行し始めている。「下は中学生、上は定年退職したおばさんたちまでいる」と賈蓓敏氏は話す。