5Gがディスプレイ産業の発展を後押し

5Gがディスプレイ産業の発展を後押し。

タグ:ディスプレイ産業

発信時間:2019-11-03 09:00:00 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

   中国光学光電子業協会液晶分会と日経BP社が主催する2019国際ディスプレイ産業ハイレベルフォーラム(DIC 2019)がこのほど、北京で開かれた。出席した専門家は、フォーラムで「ディスプレイ産業は非常に厳しい状況に直面しているが、5G時代はディスプレイ産業に新たな発展のチャンスをもたらす」との見解を示した。

 

 株式会社東海東京調査センターのシニアアナリストの石野雅彦氏は、中国、日本、韓国のフラットパネルディスプレイ企業の時価総額は4兆円で、昨年の8兆円の約半分になり、ここから業界の発展状況を推測できると紹介。

 

 IHSマークイットのディスプレイ研究総経理の謝勤益氏は、テレビのフラットパネル分野について、2018年からテレビのフラットパネルの価格はパネルメーカーの総コストラインに挑み続け、これはテレビのフラットパネル産業に非常に大きな圧力をもたらしていると指摘。生産能力過剰、同質化の競争、需要の変化などがこの現象を招いたという。

 

 このような背景下で、5Gの登場により業界関係者はディスプレイ産業の発展に新たな期待を抱いている。

 

 石野雅彦氏は、市場でフラットパネルディスプレイの需要が増えれば、価格も再び上昇すると分析。フラットパネル産業の発展周期は10年であり、現在のディスプレイ産業の状況は良好ではないが、来年に5G設備の投資ピークを迎える見通し。

 

 賽迪顧問股フェン有限公司の李珂副総裁は、ディスプレイ商品は産業の上流商品で、その発展は中国を含む世界の電子情報産業の発展状況に左右されるとの見解を示す。

 

 携帯電話産業のディスプレイ産業への影響は大きい。李珂氏によると、中国の携帯電話製造業の生産能力は2016年にピークを迎え、生産台数は21億台に達し、世界の生産台数の約80%を占めた。その後、国内市場のニーズ調整などの要素に影響され、2017年から19年上半期まで、中国の携帯電話生産台数はマイナス成長となった。

 

 李珂氏は、「中国の携帯電話生産台数はやや縮小したが、フルディスプレイの携帯電話の流行はディスプレイ産業を牽引する役割を果たしている。また、5Gライセンスの発行は中国の携帯電話産業の今後の発展に強心薬を投じた」と話した。

 

 しかし、北京群智マーケティングコンサルティング有限公司の陳軍副社長は、5Gによるスマートフォン用ディスプレイ産業の牽引力は、来年下半期に5G端末の価格が低下してから現れる可能性があると考える。

 

 また陳軍氏は、5G時代の携帯電話フラットパネルには6つのグレードアップが現れると分析。フレキシブルOLED、穴開き画面、直角ラミネート、画面下の指紋またはレンズ、折りたたみ式ディスプレイ、120ヘルツディスプレイの6つである。


 120ヘルツディスプレイはディスプレイの駆動速度が120ヘルツに達し、よりスムーズに操作できるようになる。陳軍氏は、5G環境に後押しされ、120ヘルツディスプレイの携帯電話がより重要になると考える。数社の大手携帯電話メーカーは2019年第3四半期に120ヘルツディスプレイに着目し始め、来年4月か5月に大量リリースされると予想される。


「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年11月3日


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