大手航空会社からネット大手まで、自動車メーカーからベンチャー企業まで、そろって空飛ぶ車のために力を注いでいる。それぞれに十分な理論と現実的ニーズの裏づけがある。——統計によると、19年末現在、世界の自動車保有台数は10億台に達し、その大部分が大都市に集中しているため、大都市の交通渋滞は世界的な難題だ。スマートシティ、スマートモビリティ、スマートカーは未来の交通に対する人々のニーズをよりよく満足させるとみられる。
英会計事務所デロイトトウシュトーマツはさきに発表した報告書「移動の未来―空飛ぶ車」の中で、40年には、米国だけで「空飛ぶタクシー」の市場規模は170億ドルに達すると予測する。
中国自動車工程学会の付于武名誉理事長は、「産業変革と技術革命が訪れた時、空飛ぶ車というコンセプトがますます人気になるのは、非常に面白いことだ。技術という観点、グローバルイノベーション能力という点から考えると、空飛ぶ車の開発は遠からず完了する。しかしこの業態が順調にいくかどうかのカギは、新しい標準と空中での秩序をどのように構築して、空飛ぶ車の安全性、環境性能、秩序を実現するかにある」と述べた。
重慶交通大学の公共交通専門家で全国公共交通学科の首席科学伝達専門家である王健氏は、「空飛ぶ車は大衆的な交通手段として、2つの問題に直面する。まず商用の航空路が設定されており、航行できる空域容量はそれほど大きくなく、空域の開発にも限界があることだ。駐機施設のニーズも空飛ぶ車の発展が抱える主な問題だ。騒音、航続距離、安全などの問題も解決が必要で、コストも空飛ぶ車が市場化できるかどうかを決定する制約要因になる」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年11月12日