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japanese.china.org.cn |22. 09. 2020

中日比較から見た北京の文化産業

タグ: 北京文化


 4.文化産業との関連性比較:IT産業VS 製造業


 本論はさらに全国297地級市以上の都市の“文化・スポーツ・娯楽輻射力2019”と“製造業輻射力”との相関関係を分析した。その結果、文化産業と製造業との二つの産業の輻射力の相関係数は、僅か0.43で、関連性は低かった。


 日本の47都道府県の“文化・スポーツ・娯楽輻射力2019”と“製造業輻射力”との相関関係も分析した。その結果、両者の相関係数は−0.5であった。つまり、日本では文化産業と製造業との関連性が低いどころか、むしろ相互離反していた。


 改革開放初期、中国では投資誘致のために各地でコンサートやフェスティバルを盛んに開催していた。これについて当時、上海浦東開発の責任者を務めていた趙啓正氏は批判的であった。同氏曰く、「文化人や芸術家が来ても投資しない。企業家が来てもコンサートには足を運ばない」。製造業がメインだった当時、これは冷静かつ正確な判断であった。


 しかし現在、中国経済を牽引するIT産業では、文化産業との関係において異なる風景が見えてくる。全国297地級市以上の都市の“文化・スポーツ・娯楽輻射力2019”と“IT産業輻射力”との相関関係を分析した結果、両者の相関係数は0.94にも達し、「完全相関」関係を示した。


 本論はまた、日本の47都道府県の“文化・スポーツ・娯楽輻射力2019”と“IT産業輻射力”との相関関係を分析した。その結果、両者の相関係数は中国以上に高く0.97であった。


 上記の分析からわかるように、中国にしろ日本にしろIT産業はおしなべて文化産業が発達した都市に身を置いている。IT産業と文化産業はまるで一蓮托生である。


 5.北京都市圏VS東京都市圏


 中国では北京の文化産業輻射力が他の追随を許さない優位に立っている。故に、世界のトップクラスの都市と比較しなければ真の意味での課題をあぶり出すことはできない。


 今日、ロンドン、ニューヨーク、パリ、東京といった世界都市では、文化産業がすでにIT産業、金融産業、イノベーション、高等教育、企業本社機能といった交流経済を惹きつける魅力の源泉となっている。とくに、これらの世界都市においては、文化産業と観光産業が相互に刺激し合う大きな存在となっている。


 本論は、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県からなる“東京都市圏(以下東京圏と略称)”と、北京市の行政エリアを都市圏として捉えた“北京都市圏(以下北京と略称)”とを、比較分析する。


 北京は面積では東京圏と比べ20%大きい。これに対して、常住人口では東京圏の60%に過ぎず、GDPに至っては東京圏の30%しかない。しかし、北京の二酸化炭素の排出量は、東京圏より20%も多い。

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