任溶溶氏(本名・任以奇)は1923年5月19日に上海で生まれ、現在100歳になる。
任溶溶氏は1942年に翻訳の仕事を始め、1945年に児童文学の翻訳の仕事を始めた。これまでに全国優秀児童文学賞、宋慶齢児童文学「特殊貢献賞」、陳伯吹児童文学賞傑出貢献賞、中国出版政府賞ノミネート、国際児童読物聯盟翻訳賞などを受賞し、中国翻訳協会から「翻訳文化終身功績賞」を授与した。
1950年代に人気作品『没頭脳和不高興』や『一個天才的雑技演員』などを発表した。
1942年、任溶溶氏は翻訳処女作となるウクライナ人作家スニアク氏の著書『狄士郡を抜ける軍隊』を発表し、80年が経った。『ピノッキオの冒険』、『うそつき国のジェルソミーノ』、『長くつ下のピッピ』、『シャーロットのおくりもの』、『ピーターパン』、『ドリトル先生シリーズ全集』などの名作は彼の翻訳を通して中国の児童に知れ渡った。
2021年4月、上海訳文出版社は『任溶溶訳文集』(全20巻)を出版し、任溶溶氏の訳書の中で最大規模の作品集と出版物になった。訳文集は任溶溶氏が翻訳した世界約40人の著名作家の80作以上を収録し、総字数は約1000万字、編集・出版に3年以上を要し、国内の同分野の空白を埋めた。同作は国家新聞出版署の『“十四五”国家重点出版物計画』に盛り込まれ、2021年に上海市第16回図書賞一等賞に選ばれた。
任溶溶氏はかつて、「私が多くの国の児童文学作品を翻訳するのは、中国の子供たちに世界の優れた児童文学作品を読み、世界の児童と同じように楽しみ、芸術作品を味わってもらいたいから」と話したことがある。
任溶溶氏は、外国の童謡を翻訳する際は自然と童謡らしく、明るく口ずさみやすくする必要があり、文学の翻訳の場合は子供の口調になりすぎないように心がける必要があると考える。子供は成長すると、子供に見られるのを嫌う。原作者は各年齢の子供向けに書いているため、児童にわかりやすく興味を持ってもらうものでなければいけない。翻訳者もこの点を重視し、児童にわかりやすく興味を持ってもらうものにする必要がある。
任溶溶氏が文字で作り出した色とりどりの世界の中で、子供たちは自由に羽ばたき、楽しい子供時代を過ごす。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年6月1日