2024年に入ると、各大手衛星テレビと動画サイトが大作ドラマを配信したが、予想していたほどの視聴率には至らなかった。注目はすべてミニドラマに奪われた。

　今年の春節中、ミニドラマ「我在八零年代当後媽」が大好評を博し、配信当日に2000万元以上の課金があったという。人気ミニドラマは数万元から数十万元のみの制作費で数千万元、さらには1億元以上の富の「パイ」を切ることができたのだろうか。

　病みつきになる面白さで課金

　ミニドラマには現在、3つの主流ルートがある。まずは横画面で撮影し、主流ロング動画サイトで配信する。その多くがプラットフォーム独占の作品で、視聴には会員になる必要がある。1話の時間は平均15分以内で、30話以内で終わる。

　次に、ショート動画サイトで配信されるミニドラマで、横画面と縦画面の撮影がある。うち個人メディアのアカウントで更新されるミニドラマの多くが無料で、広告収入を得る。プラットフォームが制作した、もしくは伝統的な映像コンテンツ会社と共同で制作したドラマは有料。

　最後の一種はミニプログラムドラマだ。縦画面で撮影し、通常は1話あたり1、2分で、80−100話ほど。有料で、通常は最初の数話がお試しで無料。その後は1話ずつロックを解除するか全話をまとめて購入する。

　展開が早く、激しい。これはミニドラマ市場が握っている「注目の鍵」だ。さらに復讐、名門の恩讐、タイムスリップ、生まれ変わり、逆襲などの視聴者のアドレナリンを刺激するテーマが加わり、ミニドラマの「神話」が次々と生まれる。

　陳さんは、「ミニドラマを見るのは暇つぶしのためだ。仕事中は緊張し通しで、仕事後は頭を使わずドラマを見たい」と述べた。彼女のような視聴者は少なくない。記者の調べによると、ダサい、中身が空っぽ、くだらないといった多くのミニドラマの批判されがちな特徴は、一部の人がミニドラマを視聴する理由になっている。一部のネットユーザーは自分が好きなミニドラマを宣伝する際に、「病みつきになるダサさだ、見るべし！」とコメントしている。

　これらのエモいミニドラマは視聴者を病みつきになるよう刺激し、喜んで財布の紐を緩めさせる。