嫦娥6号は中国月探査事業4期の「重要な一環」で、月裏側のサンプルリターンなどの重要任務を遂行する。北京航天飛行制御センターの正確な制御を受け、嫦娥6号探査機が8日、月接近制動に成功し順調に月周回軌道に入った。
月接近制動は嫦娥6号探査機の飛行中の重要な軌道制御だ。月接近時に「ブレーキ」をかけ、相対速度を月の脱出速度よりも低くすることで月の引力に捕捉され、月周回飛行を実現する。
嫦娥6号の今回の主要任務はサンプルリターンで、月の裏側でサンプルを採取する前の最も重要なステップは月面着陸だ。科学研究者は嫦娥6号のため科学的価値を持つ着陸地点を選ぶ。この地点は今後の活動の実施にも便利である必要がある。
嫦娥6号は月裏側の南極エイトケン盆地の北東部に着陸する予定だ。そこは太陽系で知られているうち最も古い衝突盆地だ。月の裏側は、月が地球に向けている面の裏側だ。月の公転と自転が一致するため、月の裏側が地球を向くことは永遠にない。
中国航天科技集団の逯運通氏は、「世界では月面サンプルリターンが十数回行われてきたが、そのすべてが月の表側だった。月の裏側にはより古い土壌が存在する可能性がある。中国が裏側からどのような土壌を持ち帰ったとしても、その科学的な価値は比較的高い」と述べた。
また嫦娥6号ミッションプロジェクト全体発射場ハードテクノロジーチーム長の胡震宇氏によると、嫦娥6号にはフランスの月面ラドン検出器、欧州宇宙機関の月表側マイナスイオン分析装置、パキスタンの超小型衛星イタリアのレーザーコーナーリフレクタが積載された。この4つの国際ペイロードは同時に各種科学調査を実施する。すべての活動及び任務を完了後、嫦娥6号は帰宅の途につく。約5日の飛行を経て大気圏に再突入し、四子王旗着陸場に帰還する。月の裏側への出張の全日程は53日。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年5月9日