第20回中国国際アニメ・漫画フェスティバルが先ほど、杭州市で無事閉幕した。中国アニメ産業全体を見ると、その市場規模はすでに2200億元を突破し、年間で200作以上が配信されている。1億級のユーザーは、中国が世界最大のアニメ生産国になったことを示した。
万氏兄弟制作の初のアニメCM「舒振東華文打字機」が1922年に上映され、中国アニメの百年の歴史の幕が開かれた。20世紀中頃には上海美術電影制片廠などの主なアニメ創作の場が、「民族的風格の道を探る」という創作の主張において多くのクラシックな国産美術アニメを生み出し、「中国アニメ学派」の象徴となった。その後さまざまな原因や、日本や米ディズニーなどの海外商品の衝撃を受けたことで、中国アニメは低迷期を迎えた。
近年の「西遊記之大聖帰来」「大魚海棠」「白蛇:縁起」「哪吒之魔童降世」などの作品が、中国の民族的風格を継承しながらその優秀な創作水準で優れた興行収入と口コミを獲得し、中国アニメの生まれ変わりの新時代を迎えたとするならば、2023年に興行収入が10億元を超えた「長安三万里」と「熊出没・伴我『熊芯』」は中国アニメの将来の発展に道を開いたと言える。
春節枠の「熊出没・伴我『熊芯』」は「熊出没」シリーズの11作目の映画で、ストーリーの面で子供の需要を満たし、大人の観客に合う比喩的な表現方法を採用した。これは全年齢層向けの、家族で楽しめるブランドを樹立するための鍵だ。歴史アニメ映画「長安三万里」は安史の乱勃発後の長安城を背景とし、詩人の高適、李白、杜甫らの生涯と詩を物語った。本作はリアルだが親しみやすい語りにより、歴史上の人物を銀幕上の感知され、感情移入される存在にした。
関連データによると、2023年に新たに上映されたアニメ映画は前年比34.78%増の62作品。うち中国アニメは37作品、海外アニメは25作品。興行収入は累計79億9800万元で、興行収入全体の14.56%を占めた。23年の中国アニメの創作の特徴を分析すると、これらの作品がいずれも従来の低年齢化のステレオタイプの打破を試み、「子供向け」から「全年齢層向け」アニメへの転換を目指したことが分かる。実在する人物のエピソードを取り扱う創作手段により、中国アニメは伝統を突破しながら「中国アニメ学派」から「新アニメ中国学派」を派生させた。
15年の「西遊記之大聖帰来」は新たな表現方法で国産アニメの新時代を切り開き、19年の「哪吒之魔童降世」は中国アニメ発展の好転と中国アニメ監督の実力を証明した。23年の「長安三万里」と「深海」は、中国アニメは創作のネックに直面し守りの姿勢に入ったという観点を打破した。これらは歴史の題材を新たに掘り起こし、現実生活を新たに表現することで、中国アニメならではの魅力を示した。「深海」はうつ症の子供の目から「命の意義」を模索する作品で、中国3D水墨画アニメの先例を作った。ストーリーはやや浅いが、美しい特殊技術により観客から認められた。
「新アニメ中国学派」はかつての「中国アニメ学派」の民族的風格と審美経験を留めた上で、国産アニメの「守正創新」(正しい道を守りながら革新を図る)を活き活きと表現した。私たちはこれらのアニメ作品から、現代アーティストの文化的背景と観客の審美観への正確な把握を見て取ることができる。これらの作品は世界の観客に中国アニメの新たな姿と新たな発展を示すことで、中国アニメの新たな輝きを放つ。(筆者=張若瑾)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年6月11日