中国人科学者の最新の研究成果によると、荒野で成長する苔植物には火星で生存する能力があり、これは人類が火星で新たな生態系を構築する一助になる可能性があるという。30日付英紙「ガーディアン」が伝えた。
これは中国科学院のチームが科学誌「創新」第5巻・第4号に掲載した論文の成果だ。研究に参加した中国科学院のチームによると、「Syntrichia caninervis Mitt」と呼ばれる荒野の苔は、極度の乾燥、高温、強い放射線の条件下でも生存できる。同チームは火星の地表といったより厳しい環境での生存・成長の可能性を模索している。
「Syntrichia caninervis Mitt」の火星に近い環境での生存状況と回復力を探るため、研究チームは圧力、気温、ガス、紫外線照射が火星に近い実験環境を作り、試験を行った。研究結果によると、この苔はマイナス80度で5年、マイナス196度の超低温で30日生存し、さらにはガンマ線照射を浴びても正常な条件下で再生できた。さらにほぼ完全に脱水の状態からスムーズに回復した。
非営利団体SETI協会の科学者によると、苔は火星表面の岩石物質を豊富にし、その他の植物も成長できるようにする。米ヴィラノヴァ大学のエドワード・キーナン教授は、「この砂漠の苔は将来的に、火星を人類の居住に適合させる希望をもたらした」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年7月2日