中国科学院の9日の発表によると、中国人科学者は月探査機「嫦娥6号」の月サンプルを使い、月裏側のマントルの水分量を初めて測定した(1グラム当たり2マイクログラム未満)。この成果は月の起源及び変化に関する研究に力強い支えを提供する。関連論文は国際的な学術誌「ネイチャー」(Web版)に掲載された。
説明によると、月のマントルは月の地殻と核の間にあり、月面から深さ約60−1000キロのエリアに位置する。月のマントルの水分量は月の起源、マグマ活動、資源環境効果などの解明に対して重要な意義を持つ。
この20年に渡り、学術界では月のマントルの水分量をめぐり諸説紛々だった。嫦娥6号ミッションは月南極・エイトケン盆地から人類初となる月裏側サンプルを採取し、帰還した。月のマントルの水分の時空的変化を認識する重要なチャンスを提供した。
論文の連絡著者、中国科学院地質・地球物理研究所の胡森研究員は、「月の変化において、一部のマントルの岩石が溶けて溶融物となり、その一部が月面に運ばれ玄武岩を形成した。ゆえにこれらの玄武岩を利用することで、月のマントルの神秘を探究できる」と説明した。
チームは今回の研究で、嫦娥6号の月サンプルの玄武岩岩屑を選び、月マントル源の水分量の研究を行った。その結果、嫦娥6号玄武岩の月マントル源の水分量は1グラム当たり1−1.5マイクログラムのみで、発表済みのデータのうち最低値となった。これは嫦娥6号玄武岩の月マントル源が、月表側のマントルよりも乾燥していることを示す。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年4月10日
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