順調な滑り出しの上海万博

タグ: 上海万博 林国本

発信時間: 2010-05-10 11:02:30 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

林国本

発展途上国で初めて開催される上海万博が開幕された。開幕式は各国で高く評価される出来映えであった。私も後学のためと家族サービスのために、上海のヨーロッパ系企業に在職する子供がチケットを入手してくれたので、連休を利用して上海へ行ってきた。長年ジャーナリストとして暮らしてきた人間なので、物見遊山的な気持ちではなく、最初から心の中で採点する気持ちですべてを見ていたので、小文もそういう思考が随所にちりばめられているものになってしまったかもしれないが、ブログというものは自分の考え方を開陳して、それを見てくれる人の参考に供するものであると言われているので、これも一応そういう形を成すものとなったと自負している。

まず、今回の上海万博は08年の北京オリンピックと同じように、中国の国力の向上、国際的影響力の向上を反映しているものとなったように思える。なによりも、多くの国が非常に好意的に協力してくれたことがあげられよう。フランスはゴッホやゴーギャンの世界的な名画を展示してくれた。デンマークも国宝級の人形姫の像の実物を持って来てくれた。これの二つのことは、少なくとも中国国内ではウルトラ級のビッグニュースで、主催者側も押すな押すなの大入り満員を予想して、何回も予行演習を行い、数十万の模擬見物客にひとまず入園してもらい、人の流れ、長蛇の列の形成の予測などにできるかぎり手を打った。私見であるが、上海の人たちは中国人の中でもとびきり柔軟性のあることで知られているので、こういう先手を打ったことに感心している。日本で起こったことの例を挙げると、日本人の皆様に申し訳ないが、たとえば明石市の花火祭で起こったケースを見ても、クラィシスマネージメント、あるいはカタストロフィーの予防という面でも、たとえムダなコストになるかもしれなくても、一応シミュレーションをしておくべきである。上海の関係者が、入園者が予想を上回った場合には、休憩待機しているボランティア、スタッフを瞬時に投入する用意をしていると語っていたが、さすがに国際都市上海もなかなかやるじゃんと感心した。

二番目にあげたいのは、交通アクセス手段をこの数年間に整備したことである。日本の新幹線ですら、大型連休時には満員になるのだから、7千万人が見学に来ると予測されている上海万博は交通アクセスの面では高点数をつけてもよいと思う。上海の名所外灘(旧称バンド)をブラブラしてみたが、だいぶ広くなって、まさにニュー観光スポットとなったといえよう。浦西側から浦東の高層ビル群を眺めながら、隔世の感という以外にない感慨を禁じえなかった。バスも、タクシーも、クリーンになり、人びとのマナーも以前より良くなっているを見て、ひとつの国にとって、ビッグイベントを「通過儀礼」として体験することの必要性を感じた。経済的に多大な出費であったとしても、13億人のグレードアップのための学費と見なせば、ムダとはいえない。

またセキュリティの面でも、かなりソフトに対応していることも高く評価したい。これは世界的な課題であり、一部の国ではクツを脱がせたり、レントゲン写真をとったりしているところもあるのだから、これはもうどうしようもないことだ。

私は愛知万博を見ているが、なにぶんVIPに随行したので、長蛇の列を体験せずに済んだ、7千万人が見ることになるのだから、すこしぐらいの不便は我慢する以外にない。

日本館も人気の的となっているが、これも「どうぞご自由に見学を」と言ってしまうと、たいへんな長蛇の列ができてしまう。予約チケットの入手で我慢する以外ない。さいわい、日本旅行がますます開放されているので、日本を知る機会はたくさんあり、あせることはない。

今回、中国のメディアも、万博の歴史や万博の知識の紹介で、一所懸命になっており、テレビでは毎日のようにオンエアしているので、この半年は中国も一応万博シーズンに入ったといえよう。

しかし、すべてが予想通りに行くと過度に楽観することは禁物だ。上海はこれから高温多湿の季節に入る。入園者たちの熱中症の予防など、いろいろ気をつけるべきことも多い。また、会期が半年という長丁場だ。途中で気をゆるめないようにしてもらいたい。私も老ジャーナリストとして、今回の万博の広報の仕事をお手伝いしているが、これはある意味では私にとって勉強の機会でもあり、多角的に万博を知るまたとないチャンスでもあると考えている。上海万博の順調なすべりだしを願うとともに、その接続を願いたい。

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年5月10日

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