電子メールや国際電話の急速な普及で、国際通信はずいぶんスピーディーで便利になった。しかし郵便だからこそ伝えられる気持ちもある。日本産業館ではこうした郵便ならではの魅力を、「心の架け橋」というテーマのアニメで来館者たちに伝えている。
故郷の幼なじみと手紙のやり取りをする、日本に留学しているある中国人女子学生。幼なじみの母親が病気で入院した時には日本から千羽鶴が詰められたEMSが届き、女子学生が大学院の受験で不安な気持ちになっている時には、その幼なじみが紙で作った幸運の願いが込められた星が詰まった瓶が送られてくる。こうした心温まるシーンは、郵便でしか届けられない「心の架け橋」で、見ている人たちの心の琴線に触れる物語だ。
このアニメを出展した日本郵政グループ事業開発部の武智勝担当部長は「手紙やEMSといった郵便を送る時、そこに書かれた字やにおいなどは、きっと電子メール以上にお互いの気持ちを伝えるはず。」と郵便の魅力を説明する。
一方、日本郵政と中国郵政の提携の歴史も長い。アニメの中で出てくるEMSをはじめとした中日間の郵便取扱量において、両郵政はお互いに最大級のパートナーとなっており、定期的に会合を開き、双方の経験を分かち合った上で両国間の郵便サービスの向上や協力の拡大を図っている。
2008年8月、日本郵政は中国人2億人が利用するネットショッピングに参入すべくインターネットモールを開設。この分野には強豪のヤフーや淘宝などがありこれらを超えるのは簡単ではないが、日本郵政はこうしたEコマースに出展する企業と提携してEMSや物流サービスを提供することも大きなビジネスの一つと考えている。武智担当部長は「正確で速く、信頼ある通関手続などを強みに、今後ますます大きくなっていくであろうEコマース市場のしっかりした足場作りに努めたい」と話す。
中日両国の企業を対象にした物流市場は非常に大きな可能性を秘めていると考える日本郵政は、山九と共同出資し新しく物流会社JPサンキュウグローバルロジスティクス㈱(JPSGL)を立ち上げた。急速に発展する中国でいかに顧客のニーズに応えられるサービスを展開するかという課題に取り組んでいる。
また、日本郵政はブース展示のほかにも、郵便局等におけるBGM制作の実績を活かし、日本産業館のテーマ曲をプロデュース。万博という大舞台でグループ全体をPRし、これからの中国での事業展開のためにその知名度を高める努力をしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年6月24日