塚本弘上海万博日本総代表 未来社会はどのようにロボットを使うか
江蘇省無錫市で開催された上海万博のフォーラム「科学技術の革新と都市の未来」において、日本展示エリア総代表の塚本弘氏は、「日本の科学技術革新及び未来の生活スタイル」をテーマとしたスピーチを行い、日本館のロボットから見た未来のロボットの利用について紹介した。スピーチの一部詳細は次ぎの通り。
今日私が皆さんに紹介する上海万博の日本館は、主に我々のロボット技術を紹介しています。これは日本館で一番人気のある展示で、バイオリンを弾くロボットです。館の外にも長い列ができており皆さん大変お好きなようです。
昨晩は無錫で「茉莉花」を演奏しました。このロボットは「茉莉花」を演奏できるので、日本館に来た皆さんは皆、この曲の演奏を望まれます。このロボットは名前は単に「バイオリン演奏ロボット」ではなく、「アカンパニーロボット」と呼ばれます。無論バイオリンを演奏する事ができるのは優れた能力の一つですが、それだけでなく我々としてはこのロボットの技術が人々のよりよい生活を創り出すのをサポートする事ができるのを願っているのです。
展示館内ではいつも一つの風景を見る事があります、それはロボットが如何に老齢者の生活を助けてよりよい生活を過ごすようにできるかを説明する姿です。たとえばある種の家事もできるというように。我々のめざすところは、人がよりよい生活を送ることができるようにロボットをうまく利用するという事です。
一ヶ月前に日本館の横でロボットの展示会が行なわれました。この展示中にはいろいろなロボットを見る事ができました。たとえば清掃ロボットは掃除をするためのものです。他に一本足で立つ事のできるロボット、面会用ロボットなどがあり、これら対話式のロボットは少し中国語が話せるので、人との交流ができます。ロボットの知識は人とロボットの交流に伴って絶え間なく増加しています。
更に運搬ロボットが見られました。これは荷物を運びます。こんな事からこれらのロボットが人の多くの仕事を助ける事ができるのがわかります。特に高齢者や身体障害者などです。
実際万国博はとてもよい機会で、多くの人たちに新しい技術がどのように開発されるのかお見せできるのです。五年前の愛知万博ではトヨタ製のロボットはラッパを吹いていましたが、現在のロボットはバイオリンを演奏できます。五年間の間に技術の開発によりラッパからバイオリンに変わりました。バイオリンはとても複雑な楽器なのです。
もう一つは室内の清掃ロボットで、愛知万博でも展示をしました。五年後の上海万博では更に多くの、より小型で、より効率のよいロボットとなっています。我々はアメリカのメーカーとの競争の中で非常に優秀な清掃ロボットを開発しました。これらは既に中国国内でもあるかもしれませんし、少なくとも日本国内では買う事ができます。これらを使う事でよりよい生活がもたらされるので非常に有用で価値があります。
日本でのロボットの使用状況は世界一で、その使用比率も最高です。工業分野で使用されるロボットの使用目的もさまざまです。
ロボットの起源は200余年前の江戸時代に始まります。日本ではぜんまいを利用したおもちゃから始まりました。ですからロボットを作ると言う事に一種の遺伝があって、それはぜんまいのおもちゃからだとも言えるのです。
更に簡単な仕事ができる他に、一種の心理的な慰めを与えるペットロボットもあります。もし、人がそのペットロボットに対して非常にやさしく接するなら同じくペットもやさしく接してくるし、またそのロボットをたたいたならロボットは大変おこります。このような事から人に対して心理的なサポート作用を持つのです。病院などでなにも考える事がない老人などの場合、この種の心理的な慰めをもたらすタイプのロボットは、その人と感情のやりとりをする事ができるのです。
次に、日本の科学技術の巨視的な計画について話しましょう。我々は研究開発面を非常に重視しています、特に工業関連です。日本では研究開発面での投資は主に企業によって行なわれます。時には政府の行なう税制での優遇措置があり、研究開発に対する更に多くの資金投入の助けとなります。
金融危機のさなかでは企業の固定資産投資額は減少しましたが、この研究開発面での投資額の減少は固定資産投資ほど極端ではありませんでした。政府はこの方面への投資を重視しており、その投資額の伸び率はほぼ一定で、また金額は一定して増加しています。
医療面で言えば医療技術の進む方向は既に決まっています。まず身体検査関係です。どのようにするかと言うと、我々の開発、進化させた技術ではまず一つの薬をのみます。夜寝る前には次の日の身体検査の結果が出てくるのです。この薬で全ての検査すべき項目が検査できるのです。二つ目は癌、心臓病、中風を治療する分野のものです。第三は空気を汚染しない自動車の開発です。その他にも開発事例があり、それは一つのイヤホンを装着すれば各種の言語の境を乗り越えて話ができるものです。
日本では行政・産業・研究間の協力を大変重視しており、学会・研究所、リスク投資型企業が行動を起こしています。日本の各地で出来ている各地方の工業グループの発展も更に一層推進されつつあります。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年6月30日