日本産業館 人気の秘密とは
6月10日午前。平日にもかかわらず、日本産業館の前には早くも長蛇の列ができ、並ぶ時間を表示する札には、「4時間半」と書いてある。ほぼ半日かかってもぜひ一目見ようとする人たちから、日本産業館の魅力が伺える。
「受け入れ能力の限界は1日12000人だが、ほぼ毎日限界」と話す秋岡栄子館長は、その人気の秘密について、次のように紹介した。
日本産業館は、さまざまな来場者のさまざまな趣味に合う展示があり、みんなに楽しんでもらえる。たとえば、子供たちは館外の壁を登るロボットや、大塚製薬の展示で天井からふわっと降ってくる雪が大好きで、映像が好きな若者は、イナックス(INAX)の染付け磁器をイメージした映像を大変気に入る。そして芸術を好む人は、トステムの展示で、ロンドンオリンピックのシンボルタワーのデザイナー、彫刻家のアニッシュ・カプーア氏の作品「金門」や、帝人の展示、芸術家吉岡徳仁氏の作品「生命の星」に満足する。「誕生の軌跡」を描くユニチャームの展示は女性の心を打つ内容で、感動して涙を流す女性までいる。
「日本の創るよい暮し」をテーマとする日本産業館で、「よりよい生活」への提案がもう一つの魅力となっている。日本産業館には、いろいろな業種の企業が集まり、よりよい生活の考え方の切り口もたくさんある。たとえば、食料問題のベターライフに関しては大塚製薬が提案し、環境問題では帝人、文化的な生活の面ではイナックス(INAX)が提案する。「よりよい生活」はひとりひとりによって違うが、どういうことを基準にベターライフを考えるか、日本産業館ではそれぞれが自分に合ったベターライフの未来を見つけることができる。