博覧会国際事務局(BIE)の呉建民名誉議長は、中国紙『南方週末』の「上海万博に来た観光客の様々な礼を欠く行為の原因は何なのか」という質問に対して以下のように答えた。
原因は色々ある。中国は文明のある古い国で、祖先たちはとても礼儀作法を重んじてきた。小さいころ両親たちは、客と会う時には足を組んで座ってはだめだとか、食事の時には黙っていなければならない、他人が話している時には口をはさんではいけないなどということを子供たちに教えた。これは私たちの小さいころの伝統だ。
しかし新中国成立後、ある時期、粗野をよしとする時代を経験し、汚い言葉が話された。私が1965年に共産主義青年団中央から外交部に戻った時、外交部翻訳室には若者が多く、様々な大学の幹部が集まっていたが、翻訳室の政治活動の幹部は私たちの所に来てこうした若者を戒める時に、自分のことを「私は『大老粗』だ」と言った。この言葉は今でも非常に印象に残っている。(「大老粗」は何の教養もなく策略もない人のことを指す)
これは革命時期の伝統であり、労働者と農民を基礎として知識人を批判したマイナスの結果である。「大老粗」や文化的でないことはよく、文化的なことは恥だというのは、ある時期の間違った認識だと言わなければならないだろう。これは中国の革命の過程と関係があり、新中国成立後には運動が立て続けに発生し、そうした多くの運動で知識人が批判された。
改革開放後に世界を見渡してみると、先進国の人たちは比較的文明的で、自分たちはそれに比べてとても文明的ではなかった。そのため中国では国民の物質生活の向上が図られる中で、資質を高める声も高まっていく。これは中国社会の進歩の反映だ。徐々に文明的ではない行為に対してだめと言うようになり、これは中国社会の進歩の表れでもある。上海万博はこうした機会を提供し、みんながこの問題に注目しているというのは私もうれしい。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年9月3日
米国に行く25年前、私は列車で北京から上海の妻の両親に会いに行ったことがある。その列車はエアコン付きで禁煙だったため、私はみんなにタバコを吸わないように言ったが、だれも私の言葉が聞こえないかのように相手にはしなかった。今、首都国際空港の第3ターミナルの入り口ではタバコを吸う人がいる。しかし中に入ればだれもタバコを吸う人はいない。