雲南省大理市の喜洲郷にある田荘賓館はもともと、私邸だった。その風格から言えば、非常に典型的なペー族の建築物だ。 遠くから眺めると、風格ある立派な門楼に背の高い白壁、青味がかった灰色の瓦屋根と、ペー族の建物としての特徴が非常に鮮明である。反り返った二層の青瓦には、周囲に様々な文様のある大理石が嵌め込まれていて、そのうえに山水花鳥の図案が描かれたものもある。反りのある庇は翼を広げたタカを彷彿させ、その先に木彫の竜頭が横たわっている。造りは非常にきめ細かい。 庭に入ってまず目に止まるのが、「正房」(正面にある正室)と両側に並ぶ「廂房」(副室)だ。部屋の真向かいに高くて大きな「照壁」がある。外から見えた目隠しの壁だった。こうした造りは「三房一照壁」と呼ばれ、ペー族の住居の基本様式。廂房脇にある通路を後ろに向かうと、裏庭に出る。ここは東西南北の四面に二階建ての家が建つ四合院だ。 ここにある扉はすべて木製で彫刻が施されている。浮き彫りや装飾文様など、どれも非常に精巧で、「閣子門」と呼ばれる。これもペー族の建築物の一大特色だ。六つの面がつながった扉で、寒いときには閉め切り、暑いときには折り畳めばよい。扉の色は家主によって違う。朱色を施したり、金箔を塗ったりと実に様々だ。 |