世界各国の知識人からなる民間団体ローマクラブは「成長の限界」という報告書の中で、「長期的にみれば、世界経済の『模範生』である米国は実は最大の『問題児』である」と指摘している。突如発生した金融危機を前に、米国人が誇りとしてきた「高炭素型のライフスタイル」は行き詰まったのである。
国土の広い米国は、自動車のタイヤの上で生活している国であり、1人当たりの自動車保有台数は世界トップクラス。加えて、米国人は大きくて排出量の多い自動車を好む。このため、米国の石油消費量はずっと世界一である。
米国の中産階級の典型的な住居はマンションの大きな一室か一軒家。衣服や日用品はすぐに取りかえ、まだ十分使えるのに捨てられてしまうものも多い。1人当たりのパソコン保有台数や電子製品の消費量も世界トップクラスである。これらの商品ははるか遠くの海外の工場で生産され、米国の消費者の手に届いたあと、最終的にはゴミ箱に捨てられるのだ。この全プロセスで消費される資源とエネルギーの量は、天文学的な数字である。
世界自然保護基金(WWF)の「生きている地球レポート2006」では、西洋人は持続困難な極端な水準で自然資源を消費しており、北米の1人当たり資源消費水準はアジア及びアフリカの7倍、ヨーロッパの2倍に当たると指摘している。米国人がこのような生活を続ければ、2050年には地球が5つ必要になるという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年10月