内蒙古(内モンゴル)自治区の武川県は今年、50年ぶりの干ばつに見舞われ、一日も雨が降らなかった。けれども哈楽鎮大沙窩村で農業を営む張補潤さんの農地では、例年と同じ3万元近い収穫があった。7年前からはじめたジャガイモ栽培のおかげだ。「新華網」が伝えた。
今年49歳の張さんは、耕作する3.6ヘクタールの土地のうち、スプリンクラー散水装置の設置された3.2ヘクタールでジャガイモを栽培している。「7年前に大規模なジャガイモ栽培をはじめてから、私たちの生活は毎年良くなってきました」と張さんは語る。現在、武川県に住む農民の収入のうち、90%がジャガイモ栽培によるものだ。
ジャガイモは世界で4番目に生産量の多い作物で、中国は世界最大の生産量を誇る。統計によると、昨年の中国のジャガイモ栽培面積は520万ヘクタール。栽培面積と生産量は共に世界の25%を占めている。栽培地は全国にわたるが、西部の乾燥地帯を主要生産地としている。
毎年の収穫時期、農民たちは大きくて見た目のいいジャガイモを選び、料理用として比較的高い値段で野菜販売業者に出荷、残った小さなジャガイモを安い値段で澱粉(でんぷん)工場に販売する。ジャガイモ加工企業は全国に5000社近くあり、そのうち1万トン以上を扱う澱粉精製加工企業は30社以上、昨年加工されたジャガイモは100万トンに上った。
農業部では、栽培に多量の水を必要としないジャガイモの栽培技術を西部の乾燥地帯に積極的に広め、地域の食糧生産を確保し、農民の増収を促す政策を採っている。ジャガイモ産業は現在、内蒙古自治区・甘粛省・寧夏回族自治区・四川省・貴州省・雲南省など中国西部で急速に発展を見せており、貧困地域の発展を促すための主要産業として確立されつつある。
「人民網日本語版」2007年11月20日 |