燃油価格と電気料金の引き上げが中国で新たに打ち出された直接の原因は、国際原油価格の継続的な上昇だ。そして国際原油価格の上昇は、地政学的関係や米国市場の影響だけではなく、国際経済構造と成長メカニズムがもたらした必然的な結果だ。中国もこの構造とメカニズムの一部分となっている。重要な経済主体の1つである中国がエネルギー価格の調整に踏み切ったのは当然の措置といえる。一方、アナリストらの間では、中国政府によるエネルギー価格調整は8月の五輪大会以降となるとの予想が強かったという。
石油製品への補助金を削減すべきだという、中国に対する国際的な圧力は日に日に高まっていた。そして欧米各国は、「中国が価格統制措置を取り、石油需要を人為的に高めている」との非難を強めていた。エネルギー価格調整前、中国のガソリン価格は米国より40%低かった。またインド・台湾・マレーシア・インドネシアは5月、財政支出の増大を受け、インフレ懸念のあるにもかかわらず、石油製品への補助金を削減した。
国際エネルギー機関のアナリストであるエドアルド・ロペス氏は、「北京はこれまでインフレ圧力の高まる中でのエネルギー価格の引き上げは行わないと繰り返していたから意外だった」とし、中国の燃料小売価格の引き上げを「正しい方向への一歩」と評価した。ただロペス氏は、中国の石油消費量が短期間で低下することを期待してはならないと主張する。今回の価格調整措置は、石油精製企業がさらに多くの石油を輸入し、石油製品の販売量を増やし、ガソリンとディーゼル油の供給不足の局面を緩和するためのもの。国内の供給を刺激するもので、需要を抑えるものではないからだ。(ORI国際産学研究 平霖 劉翔)
「人民網日本語版」2008年7月1日 |