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エネルギー価格引き上げの原因と影響(2)
発信時間: 2008-07-02 | チャイナネット

一方で、今回のエネルギー価格の引き上げは、中国政府のマクロ経済調整に対する自信が深まったこと、政府が産業構造調整を強めたことを示すものでもある。中国の経済発展モデルを従来のエネルギー高消費型から環境にやさしい持続可能型に転換するための省エネ・排出削減の戦いは本格的に開始されたといえる。

英紙「フィナンシャル・タイムズ」は、中国のエネルギー価格引き上げを「重大な政策転換」とし、すでに高まっている国内のインフレをさらに激化させる可能性があると予想している。しかし中国政府によるエネルギー価格の引き上げ断行は客観的で詳しい調査と正確な予想に基づくものだ。中国のGDP成長率は2007年第2四半期の12.2%のピーク時から3四半期連続で低下し、今年第1四半期の10.6%の水準まで緩まった。中国の経済過熱もこれに伴って緩和され、インフレ圧力も大きく減少した。エネルギー価格調整の前提の1つであった国内のインフレ緩和は5月までに整い、燃油価格引き上げのための十分な余地を中国政府に与えた。燃油価格引き上げはインフレとCPIの上昇に一定の圧力を与えるものとなる。だがそれはすでに計算されており、経済全体の安定発展傾向は大きく変わらないと予想されている。エネルギー価格の引き上げはCPIを含めた関連指数がすべて低下しているという前提のもとでなされたものだ。

庶民の日常生活に与える影響を考えると、直接心配される公共交通やその他関連物価の分野では、国がすでに補助政策を取っており、影響は限定的なものにとどまると考えられる。一部の不動産などの価格は低下する可能性もある。エネルギー価格の上昇に伴い、自家用車の使用コストが上がることは間違いない。そのことは自家用車の購買欲の低下を生み、自家用車の使用率を低下させると同時に、エネルギー低消費商品の選択を促す。またエネルギー価格調整は、一部の不動産価格の低下要因となるとみられる。エネルギー価格調整によるインフレ圧力を予防するために金融引き締め措置が強化されれば、不動産会社の資金繰りが困難となるためだ。さらに燃油価格上昇による交通コスト増大で郊外都市の不動産価格には短期的な価格低下傾向が出現するとみられる。ただ長期的な影響や都市中心部の不動産価格に与える影響については、価格決定メカニズムの関連要素が複雑多岐にわたるため、すぐに結論を出すことはできない。

国際的な影響についていうと、中国のエネルギー価格引き上げの発表後、国際原油価格はすぐに下落しており、中国の価格調整は国際石油価格の抑制に貢献するものだったということができる。(ORI国際産学研究 平霖 劉翔)

「人民網日本語版」2008年7月1日

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